『アフター0』について力一杯語ってみる

今日は私の今まで読んできたマンガの中でどれか10本を選べと言われたら迷わず選ぶ『アフター0』ほか、岡崎二郎先生の作品について精一杯語ってみようと思います。

『アフター0』との出会い

私が岡崎二郎先生の『アフター0』と出会ったのは学生時代。ちょうど少年誌、そしてヤング誌だけにも満足できなくなってきた自分は、本屋で買えるいろいろなマンガ雑誌を買っては読んでいました。それはビックコミック系からまんがタイムのような4コマ系、マイナーなマンガ雑誌から、当時まだ出始めだった『電撃コミックGAO!』などのマニア系まで。残念ながら成年マンガ雑誌は読めませんでしたが(当時は「有害コミック運動」の名残で、その手の雑誌の販売に厳しかったので)。

で、そんな折『アフター0』と出会いました。どんな作品かわからなかったのですが、なんとなく柔らかそうな絵だなと思ったのが第一印象。しかし、読むとその不思議な世界に引き込まれ、単行本を買おうと決意。しかしなかなか売っておらず(当時の小学館系でなかなか置いていないのは珍しかった)、自転車で1時間かけた先の本屋まで探しに行って旧刊行の3巻分を購入。そこで一気にハマりました。

岡崎二郎作品の魅力

この作品のみならず、岡崎二郎先生の作品というのは基本的にSFです。そしてSFというものはマンガでも数多く名作があります。そしてマンガの大家と言われる人達もこのジャンルで名作を残しています。例えば巨匠・手塚治虫の『火の鳥』『鉄腕アトム』といったもの、そして藤子・F・不二雄
の異色短編集など。逆に言えばそれだけハードルが高いジャンルとも言えます。しかしながら、岡崎二郎作品は、それらにも劣らない魅力を秘めていると思うのです。
正直、絵は丸い系でそんな派手ではありませんし、話もすごく派手、というものはあまりありません。しかしながら読んでいると思ってもいなかった展開や「そう来たか」というものが溢れてくるのです。
例えば、『アフター0』2巻(著者再編集版のほう)の『楽園の問題』というマンガでは、物質を転送する機械が発達して、それを人間の移動する仕組みも出来るのですが、そこでのラストが衝撃的でした。詳しくは以前に書いたので以下に。

ドラえもんではよく「転送系の道具」というのが出てきます。つまりA地点にあるものを別の場所であるB地点に移動させるというものですね。それの対象は人間だったりものだったりと様々です。 イメージとしては、道具を使った瞬間に、「シュン」という音をたててその対象物が上か下から縦線の効果とともに消え、また別の地点に現れるみたいなや...

このような近未来SFのほかにも、現代的なSF(父親の魂が息子に転生し、様々な事件を解決する『大いなる眠り子』シリーズ)、そして古代をモチーフとしたもの(『城壁』)など、その着想に驚かされる作品が揃っています。
また、感動的な話も多く存在します。科学とそれが生み出す悲劇を描いた『遙かなる孤島』、それにアンドロイドと心の在処の問題を描いた『マイフェア・アンドロイド』などがあり、そこでは人間や科学の業に真っ正面から立ち向かっています。ただ淡々と科学の世界を示したりそれを味わうのではなく、こういった「人間」が強く描かれているのがまた岡崎作品の魅力です。

正直、一つ一つの作品についてもいくらでも語れそうですが、かなり長くなってしまうので、過去に自分が書いたものの一部。

※本日は『アフター0』の『大いなる眠り子VI 別れの扉』のネタバレを含みます このブログをリニューアルしてから目的の一つとしていることに、自分の読んできた中でもベスト10に入るマンガ『アフター0』を多くの人に知ってもらいたいというのがあります(タグにも昔から「岡崎二郎」ってのがあるし)。で、久しぶりにインパクトがあって...
最近『もやしもん』人気ですね。アニメ化もされてますし。 さて、このマンガの人気が出ている点は、農大で起こるさまざまな研究、そして事件の面白さの他に、菌が肉眼で見える主人公、沢木の見える形での菌のかわいさにもあると思います。ちなみにぬいぐるみがオークションで出される騒ぎがちょっとあったみたいですが、ぬいぐるみつきの限定版...

ちなみにここに書いてないものでどれから読んだらいいか迷ったら、岡崎氏のデビュー作でもある『仏陀降臨す』(完全版9巻収録)をおすすめします。最後の予想外の展開には本当に驚かされます。

『アフター0』以外の作品でも魅力が溢れている

ちなみに今日、本当は『岡崎二郎作品について力一杯語る』予定だったのですが、『アフター0』ひとつでここまで伸びてしまったので泣く泣く割愛(まあ、このブログをやっている限り、しょっちゅう出てくると思いますが)。今日は軽い紹介だけに止めておきます。
大きく分けて岡崎作品には「SFもの」「自然・動物もの」があります。ただどちらにもSF要素は絡んできます。SFものとしては『大平面の小さな罪』『時の添乗員』『宇宙家族ノベヤマ』、自然、動物ものは『国立博物館物語』『緑の黙示録』『Neko2』『ファミリーペットSunちゃん』があります。

また、現在は主にビックコミック及びビックコミック増刊において、『アフター0Neo』として、『ファミリーペットSunちゃん』『宇宙家族ノベヤマ』も含めて不定期に掲載されています。

というわけで、よろしければ読んでみてください。

追記

一応『アフター0』の基礎知識。これは1990年に第1巻が発売され、その後数年かけて6巻までが刊行されました(これがいわゆる「旧版」)。
しかしその後2002年から「オーサーズ・セレクション」という形で、未収録分と別に連載していた『トワイライトミュージアム』を含んだ全10冊として再刊行。帯の推薦文は小松左京氏でした。
その後2004年に新版『アフター0Neo』として新しくシリーズ再開。ビックコミックなどで不定期掲載され、スローペースで単行本が刊行されています。最新刊は昨年5月に出た『アフター0Neo』2巻です。

アフター0―著者再編集版 (1) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)
アフター0―著者再編集版 (1) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)

さらに追記。(2015/12/18)

今では文庫シリーズが1番手に入りやすいです。
4091969003
アフター0 文庫版 コミック 全7巻完結セット (小学館文庫) : 岡崎 二郎

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