「幼なじみの少年と少女の微妙な距離」を扱っている、いわゆる幼なじみものというのは少年マンガでは昔から王道と言われるものです。しかし、現在振り返ってみると、現在、幼なじみのキャラ同士が恋愛、もしくは友達以上恋人未満で話が展開する作品というのは、(あくまで私の体感的にですが)減ってきているように思えます。さすがに、このパターンはマンネリになってしまったからでしょうか。むしろゲームのほうでは増えている気がします(これは思い当たる理由はあるのですけど、その話はまたの機会に)。
こういった王道幼なじみもの好きの自分としては、いろいろマンガでもそれを探しているのですが、最近読んでいるマンガジャンルで、意外とそれが多いのに気付きました。それは4コママンガジャンル。むしろ百合系のものが多い萌え系4コマより、むしろ一般系のほうが多いような気がします。
というわけで、同じように昔ながらの王道な幼なじみものが好きな人用に、今日は4コママンガにおける幼なじみものをまとめてみました。ちなみに今回は男×女ペアに限ります(百合ものだとそれが友情かガチの愛情か区別しにくいのもあるので。あとBLは自分がよくわからない)。
ちなみに、少年と少女以上に年齢の進んだペアもいますが、それもまた一興。
キラキラ★アキラ(曙はる)
『まんがタイムファミリー』連載。
高校生の桃太郎とアキラの幼なじみペアの物語。おさななじみものでよくあるベランダ越し移動ならぬ、上下階の縄ばしご移動というものが見られます(それによって騒動も起こること多し)。
初期は桃太郎ばかりが意識し恋愛を意識していない(というか仲良し意識が子供のときのまま止まっている)ように見えたアキラですが、最近桃太郎が女の子と話していたりしているところに複雑な心境を見せるようになったので、今後が見ものです。
あおいちゃんとヤマトくん(師走冬子)
『まんがタイムジャンボ』連載の4コマ。幼なじみの大学生あおいとヤマトが同じ本屋でバイトをしながら巻き起こすいろいろなドタバタギャグ。
当初はお互いに腐れ縁の友人同士という感じで、恋愛感情的なものはあまり表に出ません。しかし、お互いいろいろ気になるところがあるようで、ちょっとしたことで反応を見せるあたりがポイント。
だけど最近の号では、やけにシリアス混じりな展開になっているので、行く先が気になるところです。
ちなみに同じ作者の『うさぎの~と』にも幼なじみの少年に恋する少女がいますが、どうも恋愛かどうか微妙なところがあるので、ここで触れるだけにしておきます。
はこいり良品(井上トモコ)
『まんがタイム』連載中の作品。
古本屋含めとある商店街中心の話となっていますが、古本屋の次女、マキと魚屋の息子、ケンジが幼なじみ。
これも心情の変化があり、最初はケンジがマキの姉であるしおりに憧れ→だんだんとマキを意識という感じになっています。マキのほうは特に意識してなかったのですが、最近微妙に変化が起きているような、起きていないような、という感じ。要注目。
ちなみに同じ作者の『あかるい夫婦計画』においては、幼なじみだった夫婦の物語だったりします。
そんな2人のMyホーム(樹るう)
『まんがタウン』連載の4コマ。
当初は芸術家の父と有能な着物大和撫子である舞のファミリーもの側面が強かったですが、宅急便の集配に来るヒロちゃんが幼なじみだと発覚してから、だんだんとそちらにシフトが置かれるようになってきています。
現在、過去の謎が解けたりいろいろあった末にいいところまで来ていますが、娘を超溺愛する父親がどう出るかが注目なところ。
+1(プラスワン)サプライズ(大乃元初奈)
『まんがタイムファミリー』連載中の4コマ。
基本は父の再婚相手候補としてやってきた万鈴と、娘の中学生、千鶴を中心としたホームコメディですが、千鶴には隣に住んでいる幼なじみの京という少年がいて、その関係がクローズアップされることがあります。
昔は京のほうばかり千鶴に対して意識をして、千鶴に近づいてきたライバルがいたらやきもきしたりしていましたが、最近は千鶴のほうも微妙に京のことが気になっている様子が見られます。要注目。
聖葵学園日誌まなびや(大乃元初奈)
『+1サプライズ』と同じ、大乃元初奈さんの4コマ。全1巻
こちらは学園ものですが、幼なじみの遥花と太一郎は、実は親の再婚で姉弟になるはずだったのですが、太一郎は乙男心(キャラ紹介欄記載)で強引に姓を元母方のものにしてそれを阻止したという背景があります。そんな心はつゆ知らず、ただ子供のように元気に動き回る遥花ですが、太一樹のことは好き好きなのですよね。ただ、それが「恋愛感情」となるのかが、注目点だったりします。
最後は物足りないと思われる方もいるでしょうが、なかなかいい感じの終わり方だったと思います。
コミカプ(後藤羽矢子)
『まんがタイムジャンボ』で連載中の4コマ。
マンガ家でそれなりに売れ線に載ってきているちひろ(男)と、アシスタントをしつつマンガ家を目指すういが幼なじみ。
お互い好意は(特にちひろは)持っていて、行動にもそれが現れていますが、今はマンガ優先という感じ。ただ、その創作においてお互いが強く支え合っています。
ちなみに絵柄はかわいいですが、時折『バクマン』の中井に見られるような(それ以上かも)ブラックなネタもあります。それも含めてマンガ創作。
合金さんちの日常(松田円)
先日完結した4コマ。
こちらはすでにゴールインして、ラブラブな夫婦生活を送っている幼なじみです。
旦那の鉄矢は誰が見てもロボに間違われるロボ顔(でも人間です、たぶん)、奥さんのあげはさんは中学生並みの童顔だけど怪力ですが、お互いはお互いを普通に受け入れて愛し合っている感じ。ある意味幼なじみものの理想のゴールかもしれません。
ちなみに作者の松田円さんは『それだけでうれしい』という、幼なじみのストーリーものも描かれています。そちらも必見。
まとめ
ちなみに4コママンガ誌に掲載されているものでまだ単行本も出ていないけど今注目している幼なじみものがもうひとつあります。それはそのうち紹介することにします。
さて、今日は一般系の4コママンガ雑誌から出してきましたが、萌え系雑誌の4コマももちろん幼なじみものをわりと見つけました。ただ、長くなったので、その紹介はまた次回。