ホームラブコメ『パニクリぐらし』、家族+1の大団円

マンガ感想

『まんがタイムラブリー』で連載されていた、藤凪かおるさんの『パニクリぐらし』が完結して、つい先日、最終の4巻が出ました。

パニクリぐらし☆ 4 (まんがタイムコミックス)

この物語は4コママンガですが、ジャンルとしては楠兄弟と長男の一志の同僚である長瀬アキ、それに犬の福を中心としたファミリーコメディとなっています。4コママンガ雑誌をいろいろと読み始めた時に、これも好きな作品のひとつになったのですが、今まで紹介する機会がなかったのでこのタイミングで。

 

楠一家は親がいない兄弟暮らしであり、兄、一志が、学生である次男泰二、長女のみつき、三男の征四郎がいますが、実質社会人の一志が一人で家を支えています。さらに収入だけではなく一志が実質母親のようになり、料理洗濯などの家事を引き受けています。そして経済状況からかなり節約をしているのですが、その様子がどっから見ても主夫(むしろオカン)という感じ。

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)2巻P3

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)2巻P3

その家庭に、近所に住む一志の会社の同僚であるアキさんが近所づきあいからいろいろと関わってくるのですが、アキさんが一志達がいろいろな交流(主に料理とか買い物とか、家事関係多い)をしているうち、だんだんこの家族に馴染んでゆき、同時に一志にもほのかな思いを寄せてゆきます。

そして同時に一志のほうも好意を寄せるのですが、おたがいに相手の思いには気づかないという状況(で、相手に異性の影が見えたりすると、慌てたり嫉妬したり)。それどころか、毎日のように一緒にご飯を食べたりしているのに、その仲の良さにお互いに気づかないという超鈍感な感じで話が展開されてゆきます。このアキさんと家族とのかかわり、とりわけ一志とのなかなか進展しないラブコメっぷりが、この物語の中心となってきます。

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)3巻P95

 

で、連載中そんなつかず離れずのホームラブコメが続いていたのですが、微妙な関係に変化が起きたのが、連載終盤における、この作品のムードメーカーな妹、みつきの一言。

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)4巻P86

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)4巻P86

藤凪かおる『パニクリぐらし』(芳文社まんがタイムコミックス)4巻P86

さて、この一志とアキの関係はどうなるか。そして突如出てきた父親。家族はどうなるのか……というのはクライマックスなのでここでは伏せますが、実際に読んでみてください(まあ思わせぶりなことを書きつつ、4巻の表紙とこのエントリーのタイトルでバレ気味でしょうが)。

ちなみにこの作品においては、犬の福が上の画像左下でも見られるように、ところどころでいい味を出しています。今月号の『まんがタイムラブリー』にも、スピンアウトとして、この福から見た家族のその後の様子が描かれています(こっちは単行本になるかわからないので、この作品が好きな人はいまのうちに購入しておいた方がよいかも)。

 

作者の藤凪かおるさんは『ひめくらす』という作品を以前まんがタイムきららキャラットで連載されていました。こちらはきらら系なので萌え系4コマに入り、『パニクリぐらし』やまんがタイムジャンボに連載されている『Boy’sたいむ』などは掲載誌からするとそれとは異なりますが、ギャグのテイストは同じ感じで楽しめます。最近こういった萌え系とまんがタイム系の境目がかなりなくなってきているような気がするのですよね(まあラブリーやジャンボを萌え系に定義することも出来ますが)。それについてはそのうち書こうと思います。

ひめくらす 1 (まんがタイムKRコミックス) Boy’sたいむ 1 (まんがタイムコミックス)

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