今日紹介するものは『小説吉田学校』というものをさいとうたかをが劇画化した『小説吉田学校』というもの。
『小説吉田学校』は戦後の政界を舞台として、吉田茂やその周辺、後継の政治家が織りなすノンフィクションです。戸川猪佐武の原作をさいとうたかをが劇画にしました。
日本戦後のノンフィクションで政治史でその周辺も書かれているので、このへんの政治状況を理解するのに非常に役に立ちます。
で、この作品は戦直後から中曽根康弘総裁就任までなのですが、その時々で『総裁』という座を巡っての権力闘争が起きます。例えば吉田茂と三木武吉を味方とした鳩山一郎の戦い、佐藤栄作と池田勇人という吉田門下生の総裁争い、田中角栄と福田赳夫などの三角大福時代、ロッキード事件による総裁交代、三木おろし等々。それは永田町においてまさに政治家の命がけの戦いで、緊迫感がわきます。
まあ、何を況んやとすると、この当時の状況からだいぶ総裁の椅子が軽くなったなあと感じたと。まあ今に始まったことでもないかもしれませんが。
ちなみにこの本、今の有力政治家には、これら政治家と血縁関係の二世、三世議員も多いので、現在の政治を見る意味でも知識となります。特に日本史を学びたい受験生には、『まんが日本の歴史』と同様読んでおいたら楽に知識が入るものとしておすすめです。
ただ、残念ながら小説のほうはあるのですが、『劇画 小説吉田学校』のほうは廃刊となっています(コンビニで売っているコンビニマンガで見た記憶はあるけど)。ただ、中古で探せば売っていると思うので、興味があったら読んでください。
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