ここ半年くらい、マンガは読んでいてもそれについてブログで書く余裕がないような状態でしたが、マンガは相変わらず読んでました。そこで今日は雑誌連載でクライマックスが近そうになっている4コママンガ『毎日が新選組!』についてかなり気になっている点があるので書いてゆこうと思います(ネタバレ、及び私の推測での展開予想がありますのでご了承の上お読みください)。
ファミリー4コマの新選組
『毎日が新選組!』は『まんがタイムファミリー』で連載中のおーはしるいさんの作品。
内容は文字通り幕末新選組(新撰組)を舞台にしたもので、会津藩から配下組織となる新選組の監視(内偵)を命じられた「春」というとある武家の娘が新選組の女中として住み込み、そこで起きる騒動を描いたもの。
話はファミリー4コマ雑誌の連載らしくコミカルな感じで進んでゆきますが、主人公である「春」の視点から描かれるものなので、主には新選組内部の人間関係が中心となっています。新選組では定番の近藤勇、土方歳三、沖田総司ほか、山南敬助、永倉新八、原田左之助、伊東甲子太郎、山崎丞などわりと多数が登場。その中でもこのマンガの中核的存在であり、春とよく絡むのは齋藤一となっています(これについては後述)。物語の多くは、新選組に監視として入りこんだものの、これらの隊員との心情を軸に書いてあります
左が主人公の春、右が齋藤一。
起きるイベントは史実にかなり忠実。しかし新鮮なのは、創作の新撰組では定番の池田屋事件などははしょり気味で、内部の事件について、たとえば山南敬助の切腹事件や御陵衛士分隊事件などについてはかなり突っ込んで書かれてきます。これもやはり主人公である「春」の視点から描かれているというのが大きいでしょう。
ちなみにファミリー4コマ的に絵的に殺伐としたシーン(殺傷シーン)はほぼないです。
主人公「春」の正体は?
さて、この作品で気になっているところがあります。
主人公である「春」。この娘は主人公であると同時に、新選組やその周囲に起こる事からの狂言回し的な役割となっています。しかし多くの登場人物が新選組はじめ実在の人物が登場しますが、春だけは歴史上その名前が見当たらない人物になっています。
もちろん、この手の狂言回し的な主役だけ架空の人物というのは歴史ものではよくありますが、このマンガを読み進めていると、どうもこの人がとある史実の人物では? と思わせるようなところがかなり強いのです。
さて、この春はとりわけ隊士の齋藤一との絡みが多いということを前述しました。時によると見せ方的に「この2人恋人になる展開では?」と思うような描写もあります(2人で話していると周りからからかわれるようなことを言われるなど)。まあ基本春は新選組の隊員全てを心配しているので、それがそっちに繋がるかどうかはわからないのですが、ただ、最近では齋藤が女を囲っていると勘違いした時に一瞬真っ白になる、というようなものも見受けられますし。
となると、歴史に照らし合わせることになりますが、史実で齋藤一の妻となったとされているのは2人。篠田やそと、その後に結婚したとされる時尾。後者は『るろうに剣心』で名前だけ出て来て菩薩の想像をされたというシーンが有名かも。
それと照らし合わせると、篠田やそのほうは存在していたという史料さえないのですが、時尾のほうは存在する史料があり、且つ最近発見された史料から、時尾のほうが初婚だった可能性が強くなってきたとされています(結婚時を示した史料に「再婚」の記述がないことから)
そしてマンガのほうでは、春は会津の武家の娘であることが描かれていますが、時尾も会津藩大目付である高木小十郎の娘。さらにはこの時尾、『真田丸』の前の大河ドラマである『八重の桜』に主人公八重の幼馴染として登場しているのです(史実でも家が近所だった)。それをふまえて2017年2月号の以下のコマ(右側は山本覚馬)。
こうなると、春=斎藤の妻となった時尾なのか? という考えがかなり出て来ます。もちろん細かいズレはありますし、何より名前が違うので確証ではないのですが、この「春」の正体は誰かのか、というのを推測しながら読むのも楽しみとなっています。
現在大政奉還後の急展開中
さて、作品のほうはとうとう大政奉還となり、油小路事件となります。となるとこのまま天満屋事件、そして鳥羽伏見の戦いとなり、新選組の滅亡と急展開になることが予想されます。そこでこのマンガの登場人物がどうなるのかも含め、目が離せない展開になっていますので、羅最後まで注目したいと思います。