Home > 藤子不二雄

藤子不二雄 Archive

藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』18巻がスゴい(分解ドライバー的意味で)

 久しぶりの更新です(前から1年近く経ってますな)。とりあえず時間とネタのある時にはまた更新してゆこうと思います。

 

 さて、自分は『藤子・F・不二雄大全集』を一括予約しており(予約すると予約特典が手に入るので)、月末に定期的に送られてきます。このシリーズもすでに第三期となり、お金のほうもそうですが何より置き場所がかなり困ったことになってきていますが、どれも非常におもしろいもので後悔はしていません。
 そのF先生の作品の中でも特に有名なものと言えばやはり『ドラえもん』でしょう。そして話数も多く、この大全集でも第一期から第三期までリリースが続いており、今月の配本で18巻になります。ですが、殆どの面で満足するこのシリーズですが、ひとつ心に引っかかっていたことがあります。それは、大全集刊行時に今まで未収録だった原稿を載せるという触れ込みだったのに、とあるものが今まで載ってなかったので。とはいえ、色々難しいのかなと半分諦めていました。

 しかし、今回の18巻でとうとうそれが来ました!

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 18 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)

 

 さて、18巻ですが、『幼稚園』『よいこ』『てれびくん』といった、ドラえもん連載の主流であったコロコロコミックや小学生向け学年誌以外のところからの出典で、オールカラーや2色原稿が多く含まれています。何よりかなり連載初期のもの(1970年)だったようで、キャラ造形も初期型のものが見られるのが新鮮です。
 しかし、この巻の特徴はなんといっても、後半の『無人島へ家出』『分解ドライバー』『ターザンパンツで大活躍!?』といった、『てれびくん』掲載の作品群。

  これらの話、実際に見た人は少なくても、ネット上ではわりと有名でしょう。というのは、インターネットの発展期からあった数々のドラえもん研究サイト(有名なところでは『変ドラ』さんですね)がこれらの作品をピックアップしていたり、ネット上の印象に残る話(主に暗黒方面で)として出て来る事が多かったからです。

 

 まず『無人島へ家出』。
 家出したのび太が無人島で10年経過するというとんでもない話。しかもその後タイムマシン&タイムふろしきで元通りとなりますが、色々なことを考えるとなんか怖いものがあります。これはてんとう虫コミックスにも収録されているので目にした方も多いかと思われます。
 

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P234

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P234

 

 そして『ターザンパンツで大活躍!?』。
 ターザンパンツを使った話はライオンを助ける話が別にありますが、こちらはシュール。特にアフリカで人食い族に捕まって、しずちゃんが脱がされた挙句食われそうになるとか。
 

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P341

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P341


 
 

 で、ある意味有名な『分解ドライバー』。ドラえもんやのび太行動もシュール、絵もシュールで有名な話。
 

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P292

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』18巻P292

 

 さて、今回わかって驚く事がありました。それはこれらの作品、全て『てれびくん』の1977年別冊付録の作品だったのですね。『無人島へ家出』が1977年1月号別冊付録。『分解ドライバー』が1977年6月号別冊付録。『ターザンパンツで大活躍!?』は1977年8月号別冊付録とのこと。つまり続けて発表されているのですね。
 ネットではこの時期のF先生どうしたんだ?!という声もありますが、他の作品の1977年のものは普通と思いますので、意図的にこういう変化球ものをこの別冊付録で描いたのかもとも思ったりします。まあただ「5月号、7月号は代筆」って描かれているのは少し気になりますがまあそれはそれ。

 ま、ネット文化の流れからちょっと大げさに描きましたけど、ドラえもんの中の話としてはそこまで飛び抜けてヘンというわけじゃないかなと。分解ドライバーも、身体のパーツを入れ替える話はほかにもいろいろありますし、ターザンパンツもギャグとしては(部族表現でいいがかり的大騒ぎしない限りは)むしろ普通かなと。あえていえば10年経過した無人島が一番怖いですが(ちなみにこの話だけはすでにてんとう虫コミックスに収録されてます)。

 ちなみにもしもボックスで昼と夜の生活が逆転するどこかシュールな『もしもボックスで昼ふかし!?』や、あやとり史上世界になる『あやとり世界』などおもしろいものが多いです。

 
 

 この大全集、ほかの作品にも色々な面で(主に言葉など)で、連載当時のものの際限に努めているのがあちこちに見えて、値段とスペースを差し引いても藤子マンガで育ったような人間としては、本当に買ってよかったと思っています。
 全部はちょっと、という人でも、お気に入りのF先生作品がある人は、それを買ってみてはいかがかと。オススメは『SF・異色短編集』(これも編集のある点で非常に褒めるべきところがあるのですが、またそのうち書こうかなと)。

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 18 (藤子・F・不二雄大全集 第3期) 藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 3 (藤子・F・不二雄大全集 第3期) 藤子・F・不二雄大全集 すすめロボケット 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』18巻がスゴい(分解ドライバー的意味で)
Post to Google Buzz
Share on Facebook
Bookmark this on Livedoor Clip
Livedoor Clip - 藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』18巻がスゴい(分解ドライバー的意味で)
Share on GREE
Newsing it!
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Share on FriendFeed

  • コメント (Close): 0
  • トラックバック (Close): 0

あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。
 去年はマンガ感想ブログとして新たにしたにもかかわらず、その後仕事の量が増えて更新が予定よりかなり少なめになってしまいました(本当は週に2回は更新する予定だったのですけど……)。

 今年も仕事の量次第で更新頻度が変わりそうですが、なるべく合間を見つけて書くようにしたいと思います。仕事の最中も休憩がてらマンガはしっかり買って読んでいるので。

 で、去年の年末には、ものすごく欲しかったものの、金額の高さに迷っていたブツを買ってしまいました。それは『藤子・F・不二雄大全集』の第一期セット、全33巻をセットで。下が証拠。

 

F領収書

F領収書

 ちなみに一月前、仕事用のノーパソを買ったのですが、それより高いという。でも、実際に届いた現在刊行分(『ドラえもん』4巻まで、『パーマン』4巻まで、『オバケのQ太郎』3巻まで、『エスパー魔美』2巻まで、『海の王子』1巻、『キテレツ大百科』全2巻、『バケルくん』全1巻)を見たら、買って良かったなあと。おそらくこれならセットで買わなくてもバラで買っていただろうし、それなら思い切ってFノートがついてくるセットでいいかなと。

 とりあえず今年は仕事場と称するマンガの置き場所が出来たので、お金が続く限りは買いこみたいなと思う所存。

 まあそんなこんなで新年の挨拶になっていませんが、今年もよろしくお願いいたします。

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - あけましておめでとうございます
Post to Google Buzz
Share on Facebook
Bookmark this on Livedoor Clip
Livedoor Clip - あけましておめでとうございます
Share on GREE
Newsing it!
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Share on FriendFeed

のび太の成長と甘かったママの変化

 変ドラさんのブログ版が出来ていました。

 ■変ドラ+プラス

 変ドラさんといえば、日本のインターネット黎明期(1990年代末期)における個人サイトの中でひとつのジャンルとして定着していたドラえもん研究サイトのうちの一つで、当時から「オシシ仮面」「ドラヤ菌」といったサイトなどと共にドラファンには有名だったサイトです。なんだかそのブラウザのブックマークを使って手動巡回していた時代を思い出しました。

 で、さっそく読んでみたらこのようなエントリーが。

 ■変ドラ+プラス ドラえもん第一巻レビュー(その1)

 最近、藤子・F・不二雄大全集の『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』が発売されましたが、さっそくその『ドラえもん』から1話の分析です。さすがというか、ツッコミどころが的確で読みごたえがあります。

 さて、この有名なドラえもん第一話ですが、読み直してみるとかなり注目すべきところがあります。その中の一つに、のび太のママとパパの態度というのがあります。

 連載では、のび太がままにしかられるというのはもう出だしの黄金パターンになっていますし、パパもそれをフォローするけど、時には厳しくというのが定番です。しかし、この第1話では、それとは逆にママもパパも非常に甘いのですよね。例えばドラえもんが引き出しから出てきて理想とはるかにかけ離れた未来を言われてキレた後、のび太を「こわいゆめをみたのね」と膝枕をして慰めたりするあたり。

 そしてそれは1話にある未来の写真にでもそうで、大学に落ちたときにも励ましのパーティーを開かれたり、はては就職先がなくて会社を設立する時に隣ではげましています。あくまで想像ですが、会社設立費用の出資元も両親なのではないかと。

 さて、このように1話では甘い両親だったのが、巻が進むごとに厳しい親(特にママ)に変わっていったわけですが、これについて面白い考察があります。それは小学館の発行したドラえもんの分析本『ド・ラ・カルト』の「のび太の天敵、怒るママはアジアで大人気」というところです。(ちなみにタイトルは、ママがドラえもんの道具によってのび太にやり込められるシーンがアジアの子供に人気があるということです。まあつまり、普段怒られている親に反撃できる行為がスカッとするといったところでしょうか)。

ド・ラ・カルト―ドラえもん通の本 (小学館文庫)

 さて、ここでは、この1巻の甘やかしに対して、以下のような文があります。

 結局この甘やかしがのび太を駄目にした一番の原因であり、ひいてはセワシのお年玉が50円になった根源でもあったわけだが、連載が進むにつれママは変わってしまった。のび太がだらしないことをすると、当然のようにガミガミと怒るお馴染みのママへと変身したのだ。のび太が少しずつではあるが成長していった理由は、ドラえもんが未来からやって来たと言うより、むしろママが甘やかさなくなったからという方が大きいのかもしれない
 小学館ドラえもんルーム編『ド・ラ・カルト』(小学館文庫)P105

 これを読んで、ああなるほど、と思いました。たしかに1巻のあの甘いのが、前述のように大学入試はともかくとして社会人になろうとする時まで続いていると、そりゃ過保護が過ぎるんじゃないかと思えます。
 となると、この本に書いてあるように、たしかにのび太が変わった影響は、ドラえもんが来たことよりも
ママの変化にあると思えてくるわけです。自分としても、叱っているママと1巻のママでどっちがのび太にとってよい母親か、となると、やはりそれ以降のほうに思えますし。

 ドラえもんは長期連載であり、且つ掲載差しがばらついているので、初期には性格や設定があわなくて、だんだんと統合されている面がありますが、多くの場合それはよい方向に向かっていると思われます(他の代表的なものとしては、ジャイ子がイヤミキャラから努力家になったことなど)。

 これから全集が刊行されてゆきますが、このチャンスに時系列で楽しんでみたいと思います。

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - のび太の成長と甘かったママの変化
Post to Google Buzz
Share on Facebook
Bookmark this on Livedoor Clip
Livedoor Clip - のび太の成長と甘かったママの変化
Share on GREE
Newsing it!
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Share on FriendFeed

ホーム > 藤子不二雄

検索
RSS登録
Subscribe with livedoor Reader
Add to Google
My Yahoo!に追加
中杜カズサ運営サイト
最近おもしろかったもの
中杜カズサ最近のお仕事
今読んでる(ブクログ)
nakakzsブクログ全体
発売直近の注目作
◆=限定版

<4/21>
四季おりおりっ! (4) (4コマKINGSぱれっとコミックス)
四季おりおりっ! (4) (4コマKINGSぱれっとコミックス)

<4/21>
スターマイン (3) (4コマKINGSぱれっとコミックス)
スターマイン (3) (4コマKINGSぱれっとコミックス)

<4/26>
箱入りドロップス (1) (まんがタイムKRコミックス)
箱入りドロップス (1) (まんがタイムKRコミックス)

<4/26>
うさかめコンボ! (2) (まんがタイムKRコミックス)
うさかめコンボ! (2) (まんがタイムKRコミックス)

<4/26>
きんいろモザイク (2) (まんがタイムKRコミックス)
きんいろモザイク (2) (まんがタイムKRコミックス)

<5/2>
ONE PIECE 66 (ジャンプコミックス)
ONE PIECE 66 (ジャンプコミックス)

<5/2>
バクマン。 18 (ジャンプコミックス)
バクマン。 18 (ジャンプコミックス)

<5/7>
ベツ×バラ (3) (まんがタイムコミックス)
ベツ×バラ (3) (まんがタイムコミックス)

<5/7>
サクラ町さいず (9) (まんがタイムコミックス)
サクラ町さいず (9) (まんがタイムコミックス)

<5/7>
センセイあのね? (1) (まんがタイムコミックス)
センセイあのね? (1) (まんがタイムコミックス)

<5/8>
範馬刃牙 34 (少年チャンピオン・コミックス)
範馬刃牙 34 (少年チャンピオン・コミックス)

はぢがーる (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
はぢがーる (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

<5/9>
アオイホノオ 8 (ゲッサン少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
アオイホノオ 8 (ゲッサン少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

<5/14>
乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)
乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)

<5/17>
朝霧の巫女 8 (ヤングキングコミックス)
朝霧の巫女 8 (ヤングキングコミックス)

<5/17>
よりぬきポヨポヨ観察日記 ヒア~?ポヨは猫だよ編  (バンブーコミックス)
よりぬきポヨポヨ観察日記 ヒア~?ポヨは猫だよ編  (バンブーコミックス)

<5/17>
父派なわたしじゃいけません? ② (バンブーコミックス)
父派なわたしじゃいけません? ② (バンブーコミックス)

<5/17>
魔法先生ネギま!(38) (週刊少年マガジンKC)
魔法先生ネギま!(38) (週刊少年マガジンKC)

<5/17>
さよなら絶望先生(29) (週刊少年マガジンKC)
さよなら絶望先生(29) (週刊少年マガジンKC)

<5/18>
コイネコ 11 (サンデーGXコミックス)
コイネコ 11 (サンデーGXコミックス)

<5/25>
初期SF短編
初期SF短編

<5/25>
藤子・F・不二雄大全集 新オバケのQ太郎 3 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
藤子・F・不二雄大全集 新オバケのQ太郎 3 (藤子・F・不二雄大全集 第3期) <5/26>
しかくいシカク (1) (まんがタイムKRコミックス)
しかくいシカク (1) (まんがタイムKRコミックス)

<5/26>
ひろなex. (4) (まんがタイムKRコミックス)
ひろなex. (4) (まんがタイムKRコミックス)
4コマコミックスPick Up(ブクログ)

Return to page top