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『アフター0』について力一杯語ってみる

 『空気を読まない中杜カズサ』のほうで、こんなエントリーを書きました。

 ■感想系ブログを続けるために書いておいたほうがよい一つのエントリー – 空気を読まない中杜カズサ

 というわけで、今日は私の今まで読んできたマンガの中でどれか10本を選べと言われたら迷わず選ぶ『アフター0』ほか、岡崎二郎先生の作品について精一杯語ってみようと思います。

『アフター0』との出会い

 私が岡崎二郎先生の『アフター0』と出会ったのは学生時代。ちょうど少年誌、そしてヤング誌だけにも満足できなくなってきた自分は、本屋で買えるいろいろなマンガ雑誌を買っては読んでいました。それはビックコミック系からまんがタイムのような4コマ系、マイナーなマンガ雑誌から、当時まだ出始めだった『電撃コミックGAO!』などのマニア系まで。残念ながら成年マンガ雑誌は読めませんでしたが(当時は「有害コミック運動」の名残で、その手の雑誌の販売に厳しかったので)。

 で、そんな折『アフター0』と出会いました。どんな作品かわからなかったのですが、なんとなく柔らかそうな絵だなと思ったのが第一印象。しかし、読むとその不思議な世界に引き込まれ、単行本を買おうと決意。しかしなかなか売っておらず(当時の小学館系でなかなか置いていないのは珍しかった)、自転車で1時間かけた先の本屋まで探しに行って旧刊行の3巻分を購入。そこで一気にハマりました。
 

岡崎二郎作品の魅力

 この作品のみならず、岡崎二郎先生の作品というのは基本的にSFです。そしてSFというものはマンガでも数多く名作があります。そしてマンガの大家と言われる人達もこのジャンルで名作を残しています。例えば巨匠・手塚治虫の『火の鳥』『鉄腕アトム』といったもの、そして藤子・F・不二雄
の異色短編集など。逆に言えばそれだけハードルが高いジャンルとも言えます。しかしながら、岡崎二郎作品は、それらにも劣らない魅力を秘めていると思うのです。
 正直、絵は丸い系でそんな派手ではありませんし、話もすごく派手、というものはあまりありません。しかしながら読んでいると思ってもいなかった展開や「そう来たか」というものが溢れてくるのです。
 例えば、『アフター0』2巻(著者再編集版のほう)の『楽園の問題』というマンガでは、物質を転送する機械が発達して、それを人間の移動する仕組みも出来るのですが、そこでのラストが衝撃的でした。詳しくは以前に書いたので以下に。

 ■セワシには自我がない?~「物体瞬間移動機」は魂を殺すか – 空気を読まない中杜カズサ

 このような近未来SFのほかにも、現代的なSF(父親の魂が息子に転生し、様々な事件を解決する『大いなる眠り子』シリーズ)、そして古代をモチーフとしたもの(『城壁』)など、その着想に驚かされる作品が揃っています。
 また、感動的な話も多く存在します。科学とそれが生み出す悲劇を描いた『遙かなる孤島』、それにアンドロイドと心の在処の問題を描いた『マイフェア・アンドロイド』などがあり、そこでは人間や科学の業に真っ正面から立ち向かっています。ただ淡々と科学の世界を示したりそれを味わうのではなく、こういった「人間」が強く描かれているのがまた岡崎作品の魅力です。

 正直、一つ一つの作品についてもいくらでも語れそうですが、かなり長くなってしまうので、過去に自分が書いたものの一部。

 ■この世にいない人の手紙によい意味で振り回されることの爽快感~『アフター0 大いなる眠り子VI 別れの扉』 – 空気を読まない中杜カズサ
 ■『もやしもん』の主人公のように実際にあんな菌が目で見えたらどうなるかをSF的に考えてみる – 空気を読まない中杜カズサ

 ちなみにここに書いてないものでどれから読んだらいいか迷ったら、岡崎氏のデビュー作でもある『仏陀降臨す』(完全版9巻収録)をおすすめします。最後の予想外の展開には本当に驚かされます。

 ■参考:K大付屬漫畫圖書館
  ※岡崎二郎作品が非常にまとまっているページ。ただ、見るのは本を読んでからをおすすめ。

『アフター0』以外の作品でも魅力が溢れている

 ちなみに今日、本当は『岡崎二郎作品について力一杯語る』予定だったのですが、『アフター0』ひとつでここまで伸びてしまったので泣く泣く割愛(まあ、このブログをやっている限り、しょっちゅう出てくると思いますが)。今日は軽い紹介だけに止めておきます。
 大きく分けて岡崎作品には「SFもの」「自然・動物もの」があります。ただどちらにもSF要素は絡んできます。SFものとしては『大平面の小さな罪』『時の添乗員』『宇宙家族ノベヤマ』、自然、動物ものは『国立博物館物語』『緑の黙示録』『Neko2』『ファミリーペットSunちゃん』があります。
 また、現在は主にビックコミック及びビックコミック増刊において、『アフター0Neo』として、『ファミリーペットSunちゃん』『宇宙家族ノベヤマ』も含めて不定期に掲載されています。

 というわけで、よろしければ読んでみてください。

◆追記
 一応『アフター0』の基礎知識。これは1990年に第1巻が発売され、その後数年かけて6巻までが刊行されました(これがいわゆる「旧版」)。
 しかしその後2002年から「オーサーズ・セレクション」という形で、未収録分と別に連載していた『トワイライトミュージアム』を含んだ全10冊として再刊行。帯の推薦文は小松左京氏でした。
 その後2004年に新版『アフター0Neo』として新しくシリーズ再開。ビックコミックなどで不定期掲載され、スローペースで単行本が刊行されています。最新刊は昨年5月に出た『アフター0Neo』2巻です。

アフター0―著者再編集版 (1) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)
アフター0―著者再編集版 (1) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)

アフター0―著者再編集版 (2) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)
アフター0―著者再編集版 (2) (ビッグコミックスオーサーズ・セレクション)

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「ニートマンガ」について語ってみる

 ラブやんの最新刊、11巻が出ました。

 ラブやん 11 (11) (アフタヌーンKC)

 本編一人暮らしを初めてニート脱出の一歩目か、と思いきやいつも通りだったり。

 さて、今回の巻末では田丸氏が講談社の忘年会に言ったレポートが描かれていましたが、その折『ああっ女神さまっ』の藤島先生に会い、「ラブやん自体が女神さまのパロディなのでお会いするの怖かったけど優しい方でホッとする」と書いてありました。そこで気付いたこと。ああ、そういえばラブやんのスタートってそんな感じだったっけ。
 いや、今ではすっかりこのマンガ、カズフサのダメニートっぷりが中心となってしまっていたので、すっかり忘れてました。というか、すでにラブやんというか、天使長達ももう天使に見えずに、単なるカズフサの回りの変な人達にしか見えない。田丸ワールドってのは、どんな人(天使とか人外も)でも全員ダメ人間にしてしまうところが面白さなのかも。

 さて、それはさておきすっかり「ニートマンガ」の大家となってしまったラブやんですが、じゃあほかにそんなジャンルの作品はあるのか、というのでいろいろ探してみました。ちなみに今回は単にニートが出てくるマンガではなく、そのニートであることが前面に押し出されているマンガということで。するとうちのブログの得意分野のような気がする萌え系4コマから見つかったので、そこから(おそらくは青年誌でももっとある気がしますが、そのへんはご存じの方にお任せします)。

『だめ×スパイラル』 すか

 いきなりマンガ単行本からではないもの。これはまんがタイムきららWebで掲載されている無料Webコミック。作者は『ひろなex』のすか氏です。

 ■まんがタイムきらら – Web連載- まんがタイムきららWeb

ひろなex. 1 (1) (まんがタイムKRコミックス)
 
 キャラ的にはかわいいけど、ネトゲにはまっていて面接にも滅多に行かないダメニートっぷりが炸裂してます。妹のほうがよっぽどしっかりしています。
 基本的に『ひろなex』と同じく明るいギャグ進行ですが、それでも「こいつダメだ」っぷりが出ています。ただ、それでも職探しはしようとしている感じがあるあたり、『ラブやん』のカズフサよりはっぽどよいですが。でも、気付いたら季節が変わっているあたり、自宅籠もりきりな仕事の人間としては似たようなものを感じるのですが……もっと外でないとなあ……

『空の下屋根の中』双見酔(まんがタイムきららキャラット連載)

 単行本にはまだなっていませんが、最近のキャラットで目立っている存在。これは明らかにニートな女性主人公香奈絵の日々の生活を描写しているもの。というか、淡々と進む静かなギャグ系のまんがなのですが、その折々に出てくる描写がかなりリアルな感じなのですよね。今の自分と照らし合わせて過去に何をやっていたか考えたり、急に変わらなきゃと思って手伝い出すけどやっぱり生活は変わらなかったりとか。

 最近はニートというよりは求職活動マンガになっています。ちなみに求職もカンタンに決まるんじゃなくて、ちゃんとハロワに通って、そこでの条件などを考えたりします。例えばバイトを常時募集しているところの激務の様子とか(つまりよく言うブラック)。
 ちなみに今月のキャラットからおもちゃ屋でのバイトを始めたのですが、そこでの仕事っぷりもなんとなく初めてバイトした時のコトを思い出しますね。たとえば初日なので簡単な指示だけ受けて「今日は何もしなくていいわよ」と言われるのですが、これに「じゃあ何すれば……」とか思ったり、何か手伝おうと声をかけると本当に簡単な店番だけ撒かされて「あてにされないって寂しい……」とか思ったり。まあこれはバイトの初日としては全然普通なのですが、仕事をし慣れないとこうなると(新卒の人も、最初の数ヶ月はこういう感情に囚われる人いるかもなあ)。
 
 あと、家から帰ってきて「今日何した?」と聞かれての反応。軽く店に立っていたことしか思い浮かばず……

 

キャラット2009年3月号P132

キャラット2009年3月号P132

 いや、たしかにそうなんですよね。私も初めてバイトしたあたりでは、この感覚に囚われたことがあります。でもある時そういうことを離したら先輩から「いや、アルバイトというのは労働の質ではなく、拘束時間に対して賃金が払われているから」って言ってました。ああ、それもなるほどなと思ったりしましたね。まあもう少し経って何か出来るようなれば変わるのでしょうが。
 で、今はこんな感じで仕事を始めているので、これから先、またニートに戻るか、それとも仕事を続けるか注目しています。

 つか、ニートって言葉自体も生まれたのはわりと最近なんですよね。しかし、社会にある現象としてかなり広まりを見せています。となると、この手のマンガはこれからどんどん増えてくる可能性はあるかもしれません……っていいのか? それは。

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