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企業Webコミックサイトは不況のマンガ業界を救うか

 ガンガンパワード、そしてガンガンWINGが休刊になる代わりに、新創刊のガンガンJOKER、そしてオンラインのガンガンONLINEへの異動がなされるようです。

 ■ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-
 ■ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-

 さて、もちろん新雑誌も注目すべきものですが、ここであえて注目したいのは『ガンガンONLINE』のほう。
 それまでも、出版社の運営する無料のWebコミックサイトというのは存在しました。しかし、その多くはある雑誌があって、それの宣伝目的のおまけ的なサイトだったように思えます。しかし、近年ではこのように無料のWebコミックでもおまけではなく、それ専用に力を入れる出版社が増えてきたように思えます。現在ならば力を入れているサイトの一例として、以下のようなものがあります。

 ■コミックハイ!公式サイト 》 WEBコミック(旧コミックシード)
 ■UltraJumpEgg

 特にガンガンONLINEは、創刊時から衛藤ヒロユキ氏、小島あきら氏などスクエニ雑誌でヒット作を生み出した人が参加している上、今回の合併により雑誌連載がそのまま移ってくるということで、スクエニとしては雑誌と対等レベルと考えていると言えます。

 何故、ガンガンONLINEはじめ、出版社がここまで力を入れ始めているのか。おそらくは出版不況の影響があるでしょう。

 ■ねとらぼ:「今、漫画雑誌の編集長が集まると、お互いのヤバイ自慢が始まる」 – ITmedia News
 ■漫画業界は今かなりやばいよ\(^o^)/:アルファルファモザイク
 ■関連:マンガ雑誌の不況に対して同人界は盛況? いやそれは違うだろという話 – 空気を読まない中杜カズサ

 この「マンガ雑誌が売れない」という状況での活路が、このネットでのコミック配信と考えることが出来ます。上のリンク先でも触れられていますが、雑誌の方だけで採算がとれるマンガ雑誌は少数で、多くは単行本の売り上げがその収入をまかなっているという状況。
 しかし、Webコミックとして公開すれば、最初のシステム構築費やサーバの代金はかかるにしても、雑誌を販売するよりも経費はだいぶ軽減することが出来、しかも多くの人の目に止まるようにすることが出来ると思えます。それは何より無料というのが大きいでしょう。

 たしかに「単行本全編書き下ろし」というマンガもないことはないですが、よほどその作家やマンガに知名度がない限りは売り上げも期待できないために、あまり存在しませんでした(エロマンガとかでは例外があるかも)。よって、雑誌での連載がほぼ前提となっていたというところはあるでしょうね。

 しかし今まではさすがにWebコミックでは雑誌の注目度よりもはるかに劣っていた(と出版社に思われていた)ために、雑誌の広報用のおまけ程度な存在でしかありませんでしたが、近年、上記のように雑誌売れ行きの落ち込みが激しくなり、マイナーなマンガ雑誌においてはいよいよWebの注目度と費用面の利点が既存の雑誌と並びつつあるということではないでしょうか。

 ただ、それなら何で今まで各社が雑誌を捨ててWebコミックに移行しなかったのかというと、それはWebの注目度というよりももっとシンプルで重要な問題があったから。それは「採算性の問題」。
 前述のように、今のマンガの主なビジネスモデルは、雑誌を売ってそこで利益を得られなければ、単行本の売り上げで回収するというものでした。しかし、Webで見たものがはたして売れるのかというのは未だに証明されていません。たしかに各Webコミックサイトはビューワーを使い保存を回避し、一定期間で公開を終了しているものが多いですが、それでも一度ネットで見たものを金を出して買う人がいるかどうかというのが不明瞭だというのがあるでしょう。
 似たような問題はWebコミックに限らず、各種WebサービスがIT革命の時代から抱えていた問題です。たとえば「無料」という触れ込みで会員を集めまくったサービスは多数ありますが(例として、大橋巨泉の広告で有名なJside.comや、無料プロバイダZERO、旧livedoorなど)、どれも採算性に乏しく、広告収入飲みでのモデルが成り立たなくなると、多くがサービスを終了してゆきました。これと同じで、要はネットではビジネスモデルが成り立つかどうかが非常に微妙な場合があると。
 おそらく、ガンガンONLINEはじめ各社のWebコミックサイトも今が判断の分かれ目なのではないかと思われます。

 そして最近、それらWebコミックサイトからリリースされた単行本がいくつか出てきました。たとえばウルトラジャンプエッグの『文化部をいくつか』(AA)やコミックハイ!の『つぐもも 』(AA)もとはコミックシード)、ガンガンONLINEの『堀さんと宮村くん』(AA)なんかがそうかなと。

 これからしばらくの間はこのような企業Webコミックサイトからの単行本化が増えるでしょう。で、これらの売れ行きがWeb媒体でのビジネスモデルを成り立たせることが出来るのか、重大なポイントとなると思われます。
 とはいえ、個人的には既存雑誌、Webコミック誌のどっちかに偏るというのではなく、それぞれのマンガ公表に向いている形で両方が存在するのがいいのかなと思えます。

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新企画「マンガ雑誌いろいろ読み」始めてみます

 このブログを始めるに当たって、やってみようかなあと思っていたことがあります。それを「新企画」として不定期でやってみようと思います。

 さて、それなりにマンガをよく読んでいると思う私でも、実は今出ているマンガを全部読みくれるわけではありません。というか、それをするのは財政的にも時間的にも、それを仕事としている人(つまりプロの編集者や専門ライター)以外は、いや、そう言った人でもほぼ不可能でしょう。ブロガーでも多くのマンガ読みサイトがありますが、実際に全部読める人はごく一握りで、多くの場合は得意分野を中心に読んでいるという感じだと思います。

 それでも、すべてのジャンルに均等に読んでいる人がいるならまあいいのですが、残念ながらそれはわりと偏りがあります。つまり少年誌系はわりと多いけど、反面あまりブロガーがいないジャンルもあると。部数にも違いがあるので当然と言えば当然なのですが。

 ただ、なんだかそれってもったいないですよね。つまり、紹介される機会があまりないマンガ雑誌でも、もしかしたらいいものが埋まっている可能性はあると。で、もちろんその中には単行本で紹介されるものもありますが、スルーされてしまうものもあると思われます。それはもったいない。

 さらにちょうどこのようなニュースが。

 ■ねとらぼ:「今、漫画雑誌の編集長が集まると、お互いのヤバイ自慢が始まる」 – ITmedia News
 ■漫画業界は今かなりやばいよ\(^o^)/:アルファルファモザイク

 まあ本当に何年も前から言われていることですが、マンガ雑誌が売れていないのですよね。これはビーム以外でも。たしかに単行本が売れれば採算は採れるといいますが、そもそも現状では単行本書き下ろしのマンガは希で、まず雑誌に掲載されないと単行本も出ません。ということは、雑誌のピンチはそのままマンガ減少のピンチに繋がるのです。となると、良い作品が生まれる機会が少なくなるのです。
 ただ、私も単行本派なのでわかるのですが、雑誌を毎週買うってのはよほど好きなものがない限りは、財政的にも保管場所的にも難しいのですよね。

 ここで思ったのが「でも、雑誌を毎週じゃなくて1回くらい読むのだったら出来るのではないか」ということ。つまり、1回買ってきて、そこに気に入ったものが載っていれば今後それを注目すると。そうすれば、面白いマンガをマイナーなマンガ誌だからとスルーする可能性が低くなります。

 で、具体的にこれからやってみようと思ったのは、「とりあえず自分の読んでいない雑誌をランダムで買ってきて、それを読んで何か書いてみよう」ということ。この利点は『雑誌が売れることで、プラスになる。且つ雑誌の紹介にもなる』ということと、『その雑誌に掲載されているマンガの中から未知のおもしろいものを発掘できるかもしれない』というもの。こうすれば面白いマンガを楽しめる可能性が広がるということです。そして微力ながら、その売り上げに貢献できるかもしれません。

 以前書きましたが(『アフター0』について力一杯語ってみる – 空気を読まずにマンガを読む)、インターネットのない時代に新しいジャンルの面白いマンガを読みたくて、雑誌を手当たり次第に買っていた時期がありました。で、それで屈指の名作『アフター0』に出会ったわけですが、それと同じ事がまた起きればいいなという感じです。

 まあ、どの雑誌を扱うかは本当に手当たり次第だし、形式も未定です。まあ私のブログスタイルはいつもこんな感じなので、よろしければおつきあいください。そして願わくば、無名だけどものすごくおもしろいマンガに出会えることを。

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マンガにおける続編ものについて分析してみる

 いきなりですが、相原&竹熊コンビの名作『サルまん』のお話。
 後半、大ヒットを飛ばしたにもかかわらず、行きすぎて電波発信マンガになってしまった『とんち番町』が打ち切られることになります。で、その後出版社からも見放された二人は『とんち番町2』をひょっとこ電子から創刊された新しいマンガ雑誌で連載するのですが、それはすぐ休刊に。その時、「しまった、マンガの続編は流行らないことを忘れてた」という旨の言葉を残します。

サルまん 21世紀愛蔵版 下巻 (BIG SPIRITS COMICS)

 しかしながら、現実のマンガを見てみると一応続編みたいなものでヒットしているものというのはけっこうあるのですよね。ただ、それを分析するとゲームなどのような続編ではなく、いろいろなパターンがあることに気付きます。今日はそれをちょっと考えてみましょう。

一度終了→新規連載パターン

 おそらく「続編」のイメージで一番浮かびやすいもの。一度前作が終了したにもかかわらずその続きが作られるというものですね。たしかに10年前まではこのパターンのヒット作は少なかった気がします。思い出すとしたら、ジャンプで打ち切り後、ヤングジャンプで続きが最後まで描かれた『東大一直線』→『東大快進撃』の流れでしょうか。
 ただし近年、このパターンは増えていて、それなりに続いているケースが多いです。特に『エンジェル・ハート』(公式には別物らしいですが、事実上)、『ゴッドサイダーセカンド』等、コミックバンチ系に多かったような。

一区切りパターン

 そして、連載は事実上終わっていないのに、何故か新しいタイトルになってスタートしたものもあります。例えば『新コータローまかりとおる!』(あとLも)や、『エリートヤンキー三郎 第2部:風雲野望編』、それにカイジシリーズもそうですね。これらは「気分問題」「目新しさをもう一度出す」ということもあるでしょうが、営業的にいろいろな都合もあったりするようです。
 実は、巻数が多く続くとデメリットが出てきます。それは、「新規参入読者の障壁となる」、「本屋の棚に全巻揃わなくなる」等。単行本は多くの場合1巻から読みますが、既刊が数巻なら読む気になっても、20巻とか30巻とかになるとだんだん読む気が失せてきます。『こち亀』や『浮浪雲』、『美味しんぼ』のような事実上1話完結型なら途中からでもだいたい把握できるのでよいですが、そうではないものは途中から読んでもよくわからず、結果として新しい読者は入って来にくくなる可能性があります。
 さらに本屋の棚も売れるかどうかわからないのに場所だけを食うそれらを置いてはおけないので、削られ、余計新規に読む読者が減る可能性があります。故に、現在連載中のマンガでも、既刊がコンビニコミックとして並ぶことがあるというわけ。
 そこで「新シリーズ」として1巻からにすれば、新規読者はそこから入れるし、本屋も新シリーズの1巻から置いてくれる可能性は高くなります。そして既存のファンも実質同じものなのでついてきてくれると。
 欠点は、過去シリーズとの関連性を一度薄くしないといけない点でしょうか。

 ちなみに『ジョジョの奇妙な冒険』も、6部の表題は『ストーンオーシャン』で一応別タイトルになっていますし、最初の単行本でも1巻スタートでした(文庫版は最初からジョジョ6部となっている)。『スティール・ボール・ラン』も、最初は表題だけでジョジョの名前はありませんでしたが、後からジョジョの奇妙な冒険の7部と名実共になりました。まあどちらもジョジョファンは6部、7部と見ていましたが。

雑誌社異動パターン

 昔、角川お家騒動というのがありまして、その際出来たのが最近休刊となった『電撃コミックGAO!』なのですが、そこではかつて『コミックコンプ』で連載していたものが大量に移籍しました。中にはそのままのタイトルのものもありましたが、『ローンナイト2』(吉富昭仁)のように変更したものもあります。
 最近でもお家騒動でそうなったもの(『AQUA』→『ARIA』、『魔探偵ロキ』→『魔探偵ロキRAGNAROK 』など)、個人移籍でそうなったもの(『ジンキ・エクステンド』 →『JINKI-真説-』など)がありますね。
 まあ、そのままだと抵抗のある場合、仕切り直しの意味でと理由はいろいろあるでしょうが、最近は移籍してもそのまま、というケースもわりとありますね。

 このように、続編と言ってもいろいろなパターンがあるわけで。ただし多くの場合は内容は同じで、一度完結したもので『北斗の拳』に対しての『蒼天の拳』のような外伝的なものではなく続編となると、ヒットするのはやはり難しいのかなと。

 もっとも、同じタイトルでも作品内でいきなり展開ががらりと変わって別物になるケースも多いので(いわゆるテコ入れとか)、マンガにおいては続編とかで区切るのはあまり意味のないことかもしれないと思ったりします。

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