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4コママンガにおける幼なじみカップルもの(萌え系4コマ編)
- 2010-07-08 (木)
- コラム・雑記

さて、前回は4コママンガの中で、一般系4コマ雑誌(この言い方もちょっと違和感を覚えますが、他の言い方がないので)で載っているマンガのほうの幼なじみものを書きました。
■4コママンガにおける幼なじみカップルもの – 空気を読まずにマンガを読む
では、『まんがタイムきらら』などのいわゆる萌え系4コマ雑誌のほうはどうでしょうか。ちょっと抽出してみました。
ちなみに「高校生もので、中学生からの同級生」というのは今回幼なじみカップルとはみなさないとします。
にこプリトランス(白雪しおん)
前にも紹介しましたが、結城騎士と美作弥深子が幼なじみであり、イトコ同士。連載中もなかなか微妙な気持ちを見せていた感じで
したが、真骨頂は、最終巻の終わり間際でお互いの気持ちが通じあった時ですな。ニヤニヤもの好きにもなかなかたまらない展開になってます。
兄妹はじめました(愁★一樹)
この作品には、高坂茜と高坂葵という2人と、若葉弧金と大山萌葱という二組の幼なじみがいます。ただ、厳密にはカップルではありません。しかし高坂の名字が示すように、前者の2人は幼い頃に両親の結婚で兄妹になったというもの。でも、兄の方はあいかわらず想いを抱き続けています。さらに後者のふたりのうち、弧金は萌葱に想いを寄せているのですが、萌葱は茜のことが好きで、これがドタバタ展開になります。
最後の話はいろいろな見方が出来ますので、そのあとでどうなるかは読み手の想像次第かなと。
ベリースイート(神武ひろよし)
庵原徹×鈴井小梅というのがカップル。
お互い気持ちを表にはしませんが、実は相手のことが好きという描写があちこちに見られる王道もの。
最後も明確な告白とかはないのですが、ただ、そのうちくっつくんだなあというのは大体想像できたり。
まじん★プラナ(nino)
主人公の有人は様々な女の子に囲まれるハーレム的マンガで、幼なじみの茉莉もその中にいる感じでしたが、つい先日、有人の口から茉莉のことが好きだという言葉が出ました(但し本人に言ったわけではなく、他に言い寄られた女の子に対する言葉)。
ハーレムで終わるのか、この2人に何か起こるのか、注目。
特ダネ三面キャプターズ(海藍)
まんがタイム系から電撃大王に移籍したマンガですが、同じ海藍さんの作品で、男性が殆ど出てこない『トリコロ』とは違い、こちらでは男性キャラの風間慎太が小田とみかと幼なじみ。
とみかは明らかに気がある感じでしたが、慎太のほうもとみかに彼氏が居ると勘違いして、それが違っていたとわかったときにほっとしたりして、なかなか微妙な接近を見せています。
あんぐら(ちざきゃ)
アンソロ系や同人系マンガ家女性の集まるアパートに、一般人の大学生小野塚啓太が紛れ込んで生まれるドタバタギャグ。このうち五十嵐結衣と小野塚啓太が幼なじみ(他に毛一人いるけど)。ちなみにシチュエーションから啓太ハーレム状態。
結衣は啓太に気があるはずですが、どうも普段の態度が(ギャグ的に)傍若無人なのでその色が出ていないような。
ちなみに連載終了で、今月最新刊が出るようですが、結末はどうなっているか楽しみです。
・あんぐら 2 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)
Sweet Home(やまぶき綾)
幼い頃の約束で親公認の許嫁となり、姉妹と住む伊織のもとにやってきたという陽向。設定はかなりベタですが、この陽向が異性に触れられると投げ飛ばすという特殊体質の持ち主というもの。ついでに姉妹も伊織LOVEだったりという、ある意味ハーレムのような展開だったり。
しかし、伊織の方も陽向に対してまんざらではなく、投げ飛ばされることもありつついろいろ距離を縮めています。
ねこにゆ~り(kodomo兎)
猫好き人間嫌いの榊優理には数少ない心寄せる人間が幼なじみの水木歩と八重樫世良。このうち歩が優理に思いを寄せ、それを世良が応援する感じ。ただ、人間に感心がない優理と超草食系な歩なので、進展のしようがない。それを歩のことが好きなあさひが入って来たりしていろいろドタバタあったり。
ちなみに次回で最終回なので、どうなるか気になるところ。
とりあえずこんなところでしょうか。
萌え系4コマはわりと女の子同士の交流ものが多く、男性キャラが脇に追いやられ、全然出てこないものもかなり多く思えます。しかし、探せばわりとこういった男女の恋愛要素を含むものというのはあります(とりわけ最近は増えてきた感じ)。
というわけで、このテのものが好きなので、これからもいろいろ探してみようかなと。ただ個人的には、あるなら設定だけであとはおきざりというのではなく、しっかりと過去からのこととか、幼なじみであることを生かしたものが読みたいですな。
■関連:萌え系4コマにおける男女恋愛が描かれているマンガ – 空気を読まずにマンガを読む
■関連:「お前ら早くくっついちゃえよ」とツッコミを入れたくなる4コママンガ – 空気を読まずにマンガを読む
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4コママンガにおける幼なじみカップルもの
- 2010-07-06 (火)
- コラム・雑記

「幼なじみの少年と少女の微妙な距離」を扱っている、いわゆる幼なじみものというのは少年マンガでは昔から王道と言われるものです。しかし、現在振り返ってみると、現在、幼なじみのキャラ同士が恋愛、もしくは友達以上恋人未満で話が展開する作品というのは、(あくまで私の体感的にですが)減ってきているように思えます。さすがに、このパターンはマンネリになってしまったからでしょうか。むしろゲームのほうでは増えている気がします(これは思い当たる理由はあるのですけど、その話はまたの機会に)。
こういった王道幼なじみもの好きの自分としては、いろいろマンガでもそれを探しているのですが、最近読んでいるマンガジャンルで、意外とそれが多いのに気付きました。それは4コママンガジャンル。むしろ百合系のものが多い萌え系4コマより、むしろ一般系のほうが多いような気がします。
というわけで、同じように昔ながらの王道な幼なじみものが好きな人用に、今日は4コママンガにおける幼なじみものをまとめてみました。ちなみに今回は男×女ペアに限ります(百合ものだとそれが友情かガチの愛情か区別しにくいのもあるので。あとBLは自分がよくわからない)。
ちなみに、少年と少女以上に年齢の進んだペアもいますが、それもまた一興。
キラキラ★アキラ(曙はる)
『まんがタイムファミリー』連載。
高校生の桃太郎とアキラの幼なじみペアの物語。おさななじみものでよくあるベランダ越し移動ならぬ、上下階の縄ばしご移動というものが見られます(それによって騒動も起こること多し)。
初期は桃太郎ばかりが意識し恋愛を意識していない(というか仲良し意識が子供のときのまま止まっている)ように見えたアキラですが、最近桃太郎が女の子と話していたりしているところに複雑な心境を見せるようになったので、今後が見ものです。
あおいちゃんとヤマトくん(師走冬子)
『まんがタイムジャンボ』連載の4コマ。幼なじみの大学生あおいとヤマトが同じ本屋でバイトをしながら巻き起こすいろいろなドタバタギャグ。
当初はお互いに腐れ縁の友人同士という感じで、恋愛感情的なものはあまり表に出ません。しかし、お互いいろいろ気になるところがあるようで、ちょっとしたことで反応を見せるあたりがポイント。
だけど最近の号では、やけにシリアス混じりな展開になっているので、行く先が気になるところです。
ちなみに同じ作者の『うさぎの~と』にも幼なじみの少年に恋する少女がいますが、どうも恋愛かどうか微妙なところがあるので、ここで触れるだけにしておきます。
はこいり良品(井上トモコ)
『まんがタイム』連載中の作品。
古本屋含めとある商店街中心の話となっていますが、古本屋の次女、マキと魚屋の息子、ケンジが幼なじみ。
これも心情の変化があり、最初はケンジがマキの姉であるしおりに憧れ→だんだんとマキを意識という感じになっています。マキのほうは特に意識してなかったのですが、最近微妙に変化が起きているような、起きていないような、という感じ。要注目。
ちなみに同じ作者の『あかるい夫婦計画』においては、幼なじみだった夫婦の物語だったりします。
そんな2人のMyホーム(樹るう)
『まんがタウン』連載の4コマ。
当初は芸術家の父と有能な着物大和撫子である舞のファミリーもの側面が強かったですが、宅急便の集配に来るヒロちゃんが幼なじみだと発覚してから、だんだんとそちらにシフトが置かれるようになってきています。
現在、過去の謎が解けたりいろいろあった末にいいところまで来ていますが、娘を超溺愛する父親がどう出るかが注目なところ。
+1(プラスワン)サプライズ(大乃元初奈)
『まんがタイムファミリー』連載中の4コマ。
基本は父の再婚相手候補としてやってきた万鈴と、娘の中学生、千鶴を中心としたホームコメディですが、千鶴には隣に住んでいる幼なじみの京という少年がいて、その関係がクローズアップされることがあります。
昔は京のほうばかり千鶴に対して意識をして、千鶴に近づいてきたライバルがいたらやきもきしたりしていましたが、最近は千鶴のほうも微妙に京のことが気になっている様子が見られます。要注目。
聖葵学園日誌まなびや(大乃元初奈)
『+1サプライズ』と同じ、大乃元初奈さんの4コマ。全1巻
こちらは学園ものですが、幼なじみの遥花と太一郎は、実は親の再婚で姉弟になるはずだったのですが、太一郎は乙男心(キャラ紹介欄記載)で強引に姓を元母方のものにしてそれを阻止したという背景があります。そんな心はつゆ知らず、ただ子供のように元気に動き回る遥花ですが、太一樹のことは好き好きなのですよね。ただ、それが「恋愛感情」となるのかが、注目点だったりします。
最後は物足りないと思われる方もいるでしょうが、なかなかいい感じの終わり方だったと思います。
コミカプ(後藤羽矢子)
『まんがタイムジャンボ』で連載中の4コマ。
マンガ家でそれなりに売れ線に載ってきているちひろ(男)と、アシスタントをしつつマンガ家を目指すういが幼なじみ。
お互い好意は(特にちひろは)持っていて、行動にもそれが現れていますが、今はマンガ優先という感じ。ただ、その創作においてお互いが強く支え合っています。
ちなみに絵柄はかわいいですが、時折『バクマン』の中井に見られるような(それ以上かも)ブラックなネタもあります。それも含めてマンガ創作。
合金さんちの日常(松田円)
先日完結した4コマ。
こちらはすでにゴールインして、ラブラブな夫婦生活を送っている幼なじみです。
旦那の鉄矢は誰が見てもロボに間違われるロボ顔(でも人間です、たぶん)、奥さんのあげはさんは中学生並みの童顔だけど怪力ですが、お互いはお互いを普通に受け入れて愛し合っている感じ。ある意味幼なじみものの理想のゴールかもしれません。
ちなみに作者の松田円さんは『それだけでうれしい』という、幼なじみのストーリーものも描かれています。そちらも必見。
ちなみに4コママンガ誌に掲載されているものでまだ単行本も出ていないけど今注目している幼なじみものがもうひとつあります。それはそのうち紹介することにします。
さて、今日は一般系の4コママンガ雑誌から出してきましたが、萌え系雑誌の4コマももちろん幼なじみものをわりと見つけました。ただ、長くなったので、その紹介はまた次回。
■つづく
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完結した物語としてのマンガを評価する賞があってもよいのではないか
- 2009-12-14 (月)
- コラム・雑記

ここのところ毎年の名物になっている 「このマンガがすごい!」の2010年度版が出版されるようです。
■痛いニュース(ノ∀`):【漫画】 「このマンガがすごい!2010」 ランキング発表
見たところ、今年は週刊少年ジャンプのものが多く、それについて賛否両論あるようです。それは『バグマン』や『ONE PIECE』がふさわしくないというわけではなく(むしろ最近の『ONE PIECE』の面白さはかなりの人が納得するところでしょうし)、『このマンガがすごい!』という企画が、今まで知名度の低いマンガを発掘するというのがひとつの特徴だったのに対して、今年のはもともと知名度が高くなってしまった点にあるでしょう。でも『星守る犬』がランクインしているあたりは、その傾向が全くなくなったわけではないとは思いますが。
これは、どうやら集計方法が変わったというのもあるようです。
■参考:『このマンガがすごい!』がちょっと納得いかない件について: 漫棚通信ブログ版
とはいっても、ここのベスト10がおもしろくないか、というとそういうわけではなく、たしかに今まで知らなかった人は読んでも損をしないレベルのものが多いでしょう。ちなみに私は女性向け部門のほうで知らない作品があるので、そっちを読んでみたいなと。
ただ、『このマンガがすごい!』で選ばれているマンガは、一つ留意しておかなければいけないことがあります。いや、これに限ったことではなく、マンガに対して与えられる賞的なもの、すなわち「講談社漫画賞」や「小学館漫画賞」なども含めたものは、ほかの分野、たとえば小説や映画の賞とは大きく違った特徴があるのです。それは、殆どの場合その評価された作品が、まだ連載中、すなわち完結していないということ。
現在、マンガの発表形式には雑誌連載と読み切りがありますが、多くの場合注目される作品は連載です。それは日本においてのマンガは雑誌の連載が前提として発表されてきた、というところにあるでしょう。そのこと自体はそれがマンガを発展させてきた方法でもあるので、デメリット(作家の思い通りに話の長さを決められない等)もあれど、全否定すべきものではないでしょう。しかし、これに対して「賞」として評価を与えようとすると、ちょっとした問題が生じます。すなわちその作品が盛り上がっている時はどうしても作品の途中になってしまい、このようなマンガの賞を与えるのはあくまで「作品の途中までの評価」に対して与える形になってしまうということ。
映画の場合、その90分なり120分なりの枠内で終わらず続編になることは希です。したがって映画の賞では審査する人間はほぼ必ずその作品を最初から最後まで見ていることになります。小説の場合も、新聞連載などもありますが、殆どの場合はそれが単行本化して、一つの作品として完結してからの評価となっています(シリーズとして続く場合も、だいたいは一冊単位で完結していますね)。一冊を読むのにも1日かからないケースも多いでしょう。
しかしマンガの場合は前述のように、長いターンで話が展開されてゆきますので、どうしても話題となるときは完結した時ではなく、途中なのですよね。かといって連載が終了してからだと、話題としては収束してしまっている作品が多いので、賞としては盛り上がりませんので難しいのかなと。
たしかに、途中まででもおもしろい、ということは賞を受けるに十分なのかもしれません。ただ、その賞を取った作品がそのあと完結まで誰もが賞を受けたことに納得するデキである、ということは思わないのですよね。
たとえば第21回講談社漫画賞一般部門を受賞した『ドラゴンヘッド』という作品があります。映画化もされましたね。
私の記憶ではこれが受賞したのはおそらく序盤のトンネルシーン前後くらいかと思います。しかしこの作品、最終回が賛否両論となります。否定的見解を持つ人の中には、賞は違うだろ、と思う人もいるのではないかと。ちなみに私は消化不良な面はあれど、一つの作品の表現としてああいう終わり方もありだとは思います。ただ、多くの人にとってその賞を受賞した時と完結した時では違う印象を持つでしょうね(ちなみにこの賞と受賞後の話については『タカヤ!』を思い出す人もいるかもしれませんが、あれは読み切りに与えられた賞の連載ってことで、ちょっと話が違うかな)。
たしかに「連載中のマンガに対して賞を与える」というのも、その作品への期待値も籠めるとしてありだとは思います。ただ、どうもそれに偏りすぎているのではないか、と思えるのですよね。手塚治虫文化賞は完結した作品にも贈られることがありますが、連載した作品も混じることが多いですし。ただ、連載中の評価もいいですが、「完結して全てを見た時にどうだったか」というものの評価は、後世に対して必要ではないでしょうか。
で、今日書いたことは2年前に書いたことを思い出して、ちょっと膨らませてみたものなのですよね。
そこで、『毎年「今年一年間に連載が終了した作品を対象とした(読み切りも可)作品だけの投票」とかすると、面白いかもなと思います。』ということを書いたのですが、今でもそれはあったら面白いのではないかと考えます。そして連載が終わったから出来る、一気にまとめ読みという贅沢もできますしね。本当はこのブログの企画としてやりたいのですけど、とても時間がないのでどなたかやってくれませんかね。もしくは『このマンガがすごい!』みたいな出版企画としてとか。どっちにしてもその暁には参加させていただけると嬉しかったりします(相変わらず他力本願)。
ちなみに個人的に注目は、来年か再来年あたりには完結しそうな『鋼の錬金術師』。これが最後にどのような終わり方をして、全体を見たときにどのような印象を受けることとなるのか、今から期待しています。あとはこの前書いた『3月のライオン』もかな。でもこっちはしばらく終わりそうにないですが、これも『ハチミツとクローバー』みたいに完結した時読み直して素晴らしい作品になってほしいなと思います。
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マンガ画像の『引用』について書いてみる
- 2009-10-30 (金)
- コラム・雑記

このようなエントリーがありました。
■出版社的にはキャプチャ画像付き漫画感想ってOKなんですか? | Half Moon Diary
さて、このブログでもマンガの画像がついています。それについては右上の「引用について」でちょいと書いておいたのですが、この機会にもう少し掘り下げて「引用」のことを書いておく必要があると思ったので、エントリーにして起こしました。ただ、これは私の個人の考えも含みまして、誰にでも正しいと言えるものではない可能性もありますのでご了承ください。
著作権法の「引用」はマンガにも適用される
私はこのブログにおいて、マンガのコマを「引用」しています。「引用」とはgoo辞書では『古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること』とありまして、ここではマンガのをこのブログに用いることを意味します。
さて、この「引用」、著作権法第32条における『公表された著作物は、引用して利用することができる。 』という条文で定められています。この法律の通り、「著作物」は「引用」することが出来るのです。
文章の創作物では、学術書などで他の人の本や論文が一部そのまま引っ張られてきているのがよくありますが、あれも「引用」であり、著作権法上認められているものになります。
これは文書のみならず、すでにマンガでもこの「引用」についての判例が出ています。
ちなみに判決後も、出版においてはコマ引用の際は許可を取るというのは慣例となっているようですが、これは一度発行したらたとえ引用に当たらない法的な問題があったとしても訂正(回収)が難しい出版という性質上、念のためという意味で、まあ不自然ではないかな、という気がします。
「引用」の要件
ただ、ここで「じゃあ『引用』だからマンガ全部取り込んで載せてもいいんだ」と思ったら、それは大間違いです。この「引用」というものは定義があり、それを外れると「転載」となってしまい、著作権法で認められている範囲外のものとなります。
では、引用の要件とは何か。さきほどの著作権法32条1項には以下のように定められています。
第三十二条1
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
上の通り、「引用」となるためには、「公表された著作物」が、「公正な慣行に合致」して、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」必要があるのです。
また、必要性のないものは引用と認められません。
さらに、「出所の明示」をすることが必要となります。
第四十八条
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合
(以下略)
■条文:社団法人 著作権情報センター
さらに判例ではこれ以外にも「引用」になるにあたって必要な要件があります。それは「引用する側とされる側が明瞭に区別されていること(明瞭区別性)」と、「引用する側が主、引用される側が従の関係にあること(主従関係)」。
明瞭区別性とは、そのもってきたものと自分の創作が区別されていなければいけないというもの。例えばコラなどは引用にあたらず同一性保持権の侵害となります。
また、自分が創作している文章がメインで、引用はそれを補う従でないといけないというのも規定されています。マンガの場合、画像を載せるのがメインで、それにコメントをつける形になってはいけないということですね。そうじゃないと全ページ載せてからコメントをちょっとつけて、実際は転載なのに「これは引用だ」なんて言えてしまうようになりますから。ただ、これも文章と画像の分量ではなく、それぞれの場合で判断されるようです。
■参考:» 正しく引用するためには-1.明瞭区別性と主従関係 | Knotworking.biz~ベンチャー・ITで働く人のための知財・労働法等の法務情報、ビジネス情報サイト
まとめると、「引用」となるに必要な要件は
・公表された著作物であること
・公正な慣行に合致していること
・報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれていること
・出所の明示をすること
・引用する側とされる側が明瞭に区別されていること(明瞭区別性)
・引用する側が主、引用される側が従の関係にあること(主従関係)
・引用する「必然性」があること
を満たしているものとなります。
■参考:引用 – Wikipedia
■参考» 「引用」と「転載」の違いについて | Knotworking.biz~ベンチャー・ITで働く人のための知財・労働法等の法務情報、ビジネス情報サイト
このブログのスタンス
以上のことをふまえて、私の場合どうしているかを語ります。
このブログでは画像を引用する際、必要なもののみに留め、文書作成に関して無用な引用(例えばそのマンガの全ページアップロードなど)はしないようにしています。だいたいはひとコマ、文章的に必要のある場合は複数といった感じですかね。
あと、画像の下に引用元となるマンガ名と作者、それにページが書いてあります。これも上に書いてある「引用元の明示」をした形ですね。まあこれについては下で直接明示しなくても本文からそれが何からの引用かわかれば成り立つ可能性もありますが、やはり明示したほうがいいということで。ちなみにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、画像にカーソルを当てたときポップアップする文章(alt文)には、その明示+出版社名も書いてあったりします。
それと厳密に言えば、Amazonアソシエイトの表紙画像も著作物に該当するのですが、この場合Amazonアソシエイトの性質上、明らかにWebサイトで掲載されるようなものとなっているので、そのまま使っています(まあリンクすればそのまま引用元がわかるのもありますし)。
余談ですが、Amazonを貼るのは私にアフィリエイト収入がある、というだけではなくて、「画像を引用する対価を出版に還元できる仕様にしたい」という気持ちもあったりするのですね。まあそうすれば引用しても著作権者に疎まれない風潮になるかもしれませんし。
ただし、何も誰かへの嫌がらせでブログをやっているわけではないので、著作権者が嫌がるのにそこまで引用をする必要もないかなと思っているので、よほどのことがない限りそれについて削除要請があれば消すといった感じにしてあります(私は今までひとつもありませんが)。著作権者によっては、引用の要件を満たしていない、と思う人もいるかもしれませんし。
これらは私の考えた結果やっている方法で、完全に正しいとは限りません(著作権法というのは裁量の幅が広く、その当事者、その場合でかなり違ったりするのもあるので)。ただ、自分なりに「引用」に当てはまるように心がけています。他人に同じ方法を勧めることは出来ませんが、画像を載せる場合は上の「引用」要件を満たすようにやったほうがよいのではないかと思います。
というわけで、「引用」について一通り書いてきました。ちなみにネット上で多い丸ごと転載とか改編などについても語ろうと思ったのですが、それを語り出すととんでもなく長くなるので(二次創作とかの問題まで絡んできて、おそらくいくつもエントリー立てることになってしまう)、それは別の機会とします。
ともかく、合法な「引用」であっても、著作権物を拝借しているので、引用元に敬意を示して、気を遣うことは必要と思います。故に「宣伝してやってるんだから」的な考えは捨てた方がよいでしょう。けっこう引用の範囲から外れるものでも、著作権者の「黙認」という厚意で見逃されていることは、ネット上では多いと思うので。それを捨てたら、また「著作権の非親告罪化」みたいなものが出てくるとも限りませんから。
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