- 2009-12-06 (日) 20:22
- マンガ感想(青年向け)

ちょいと、というかかなり忙しくて、だいぶ間が開いてしまいました。ちなみに忙しかった理由は仕事がメイン、あと仕事場にすべく部屋を借りたのでそれの手配に。ちなみに後者は仕事場よりもマンガ置き場としての重要性の方が高くなるかもしれません。とりあえずこれで当分は場所を気にせずマンガが買えるのでいい感じ(まあまたなんだかすぐに埋まりそうな予感もしますがそれはそれ)。
で、それはさておき今日からはしばらくその忙しかった期間中に読んでいたもののことになるので、若干古めの要素も入るかもしれませんが、ご了承くださいませ。
まず、『3月のライオン』の3巻を購読。
これは『ヤングアニマル』で連載(不定期連載)されている、『ハチミツとクローバー』の海羽野チカ先生のマンガで、題材は将棋。ただ既存の将棋系マンガのようにその勝負に重きが置かれているというよりは、子供時代からいろいろと過酷なことが降りかかった環境よりプロ棋士となった17歳主人公の少年、桐山零の周辺が物語の主な要素となっています。ですが棋譜もプロ棋士の先崎学氏が担当しているので投げやりではなく本格的です。ちなみに『ハチミツとクローバー』からは全然別の路線のように見えますが、あっちでも真山と先生が将棋にハマって対戦時計を買おうとしているマンガがありましたので、微妙に繋がっているかも。
さて、このマンガ実は1巻をはじめて読んだときの印象は、「かなり暗いマンガだなあ」という印象だったのですよね。それは主人公、零の過去、そして現在に起きた暗い出来事(特に人間関係的な面)での描写が多かったことです。とりわけ10話の『カッコーの巣の上で』(同名の映画あり)は、その幸福とは言えない生い立ちから将棋の世界に入った描写がなされ、かなり気分がローになります。ただ、最初のそんな状態から、話が進む度に3姉妹との交流などでそれが変わってきたり、はたまた義姉の登場や勝負の世界での出来事でそれが押し戻されそうになったりといろいろ複雑に変化する心理描写が見られます。
この3巻では、そんな零の周りとの関係を隔絶するような態度から、徐々に変化が見えてくる、というところがかなり注目するものです。
そして、この巻を読み終わった後、私は本棚にあった(正確には置き場がなく、床に積んであって下の方にあったのですが)1巻と2巻を持ち出して、最初から読み直しました。というのは、この3巻では徐々に明らかになったことがあり(2巻でもありましたが)、それを踏まえて読んでみたくなったため。例えば家庭的な三姉妹長女のあかりが銀座の飲み屋で働いている理由、何故二階堂が零にかかわってくるのか等。そしてそれが判明した時点で読み直すと、それまでとっていた行動において、また新しい発見があるのですよね。特に義姉と零の関係は、1巻だけ読んだときには嫌われていて零も苦手なように思え、物語的には意地悪な悪役的立ち位置だと思わされていたものなのに、それがだんだん様子が変わってきているように思えます。
考えてみると『ハチミツとクローバー』でも、最初のうちはぼんやりとしか表現されていなかったけど、話が進むうちにだんたんと明らかになってきて、読者を驚かせる展開っていうのがかなりありましたね。例としては森田が金を稼ぐ理由やその収入手段や、先生達の過去に起ったことなどがそうですね。特に最初の方から先生がよくしていた手を広げてそれを見る動作が、とある非常に印象的なシーンとして出てきた時には衝撃を受けました(ネタバレなので詳細は伏せておきます)。
『ハチミツトクローバー』含め羽海野チカ先生のうまさは心理描写などいろいろあると思いますが、そのひとつにこういった展開のさせ方が非常に惹かれるところもあると思うのです。
ただ、まだ今まで提示されたもので判明していないものもあります。例えば義姉と過去に何があったのかということや、棋士の後藤を憎む理由など(おそらく今の時点では義姉がらみだと推測できますが)。
ちなみに今、一番気にかかっているのは、友人の棋士、二階堂の今後。どうも彼は他の将棋マンガでもよくモデルにされる村山聖九段がモデルみたいなのですが、彼は29の若さで亡くなります。そして他のマンガでもなんだか急死するようなものがあったような感じなので、本編で病弱な二階堂もなんだかそうならないかなあと若干心配なのですな。これはハチクロでもけっこうメインキャラではないですが死人やら怪我人が出ていたことも影響しているかもしれません。
どのマンガでもそうかもしれませんが、特にこの『3月のライオン』は、買ったらその度に新たな発見を探すために最初から読み直すことをおすすめしたいと思います。もしくは『ヤングアニマル』読者なら、その度に目を通してもよいかもしれません。おそらく4巻が出たら私もそうすると思います。
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