のび太の成長と甘かったママの変化

変ドラさんのブログ版が出来ていました。

変ドラ+プラス

変ドラさんといえば、日本のインターネット黎明期(1990年代末期)における個人サイトの中でひとつのジャンルとして定着していたドラえもん研究サイトのうちの一つで、当時から「オシシ仮面」「ドラヤ菌」といったサイトなどと共にドラファンには有名だったサイトです。なんだかそのブラウザのブックマークを使って手動巡回していた時代を思い出しました。

で、さっそく読んでみたらこのようなエントリーが。

変ドラ+プラス ドラえもん第一巻レビュー(その1)

最近、藤子・F・不二雄大全集の『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』が発売されましたが、さっそくその『ドラえもん』から1話の分析です。さすがというか、ツッコミどころが的確で読みごたえがあります。

さて、この有名なドラえもん第一話ですが、読み直してみるとかなり注目すべきところがあります。その中の一つに、のび太のママとパパの態度というのがあります。

連載では、のび太がままにしかられるというのはもう出だしの黄金パターンになっていますし、パパもそれをフォローするけど、時には厳しくというのが定番です。しかし、この第1話では、それとは逆にママもパパも非常に甘いのですよね。例えばドラえもんが引き出しから出てきて理想とはるかにかけ離れた未来を言われてキレた後、のび太を「こわいゆめをみたのね」と膝枕をして慰めたりするあたり。

そしてそれは1話にある未来の写真にでもそうで、大学に落ちたときにも励ましのパーティーを開かれたり、はては就職先がなくて会社を設立する時に隣ではげましています。あくまで想像ですが、会社設立費用の出資元も両親なのではないかと。

さて、このように1話では甘い両親だったのが、巻が進むごとに厳しい親(特にママ)に変わっていったわけですが、これについて面白い考察があります。それは小学館の発行したドラえもんの分析本『ド・ラ・カルト』の「のび太の天敵、怒るママはアジアで大人気」というところです。(ちなみにタイトルは、ママがドラえもんの道具によってのび太にやり込められるシーンがアジアの子供に人気があるということです。まあつまり、普段怒られている親に反撃できる行為がスカッとするといったところでしょうか)。

ド・ラ・カルト―ドラえもん通の本 (小学館文庫)

さて、ここでは、この1巻の甘やかしに対して、以下のような文があります。

 結局この甘やかしがのび太を駄目にした一番の原因であり、ひいてはセワシのお年玉が50円になった根源でもあったわけだが、連載が進むにつれママは変わってしまった。のび太がだらしないことをすると、当然のようにガミガミと怒るお馴染みのママへと変身したのだ。のび太が少しずつではあるが成長していった理由は、ドラえもんが未来からやって来たと言うより、むしろママが甘やかさなくなったからという方が大きいのかもしれない
小学館ドラえもんルーム編『ド・ラ・カルト』(小学館文庫)P105

これを読んで、ああなるほど、と思いました。たしかに1巻のあの甘いのが、前述のように大学入試はともかくとして社会人になろうとする時まで続いていると、そりゃ過保護が過ぎるんじゃないかと思えます。
となると、この本に書いてあるように、たしかにのび太が変わった影響は、ドラえもんが来たことよりも
ママの変化にあると思えてくるわけです。自分としても、叱っているママと1巻のママでどっちがのび太にとってよい母親か、となると、やはりそれ以降のほうに思えますし。

ドラえもんは長期連載であり、且つ掲載雑誌がばらついているので、初期には性格や設定があわなくて、だんだんと統合されている面がありますが、多くの場合それはよい方向に向かっていると思われます(他の代表的なものとしては、ジャイ子がイヤミキャラから努力家になったことなど)。

これから全集が刊行されてゆきますが、このチャンスに時系列で楽しんでみたいと思います。

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

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