夜麻みゆき6年ぶりの単行本『トリフィルファンタジア』は優しいファンタジー

はてなのほうで夜麻みゆきさんのマンガがGファンタジーにて新連載を開始したというエントリーを書いたのが昨年の1月。

久々に復活の夜麻みゆきマンガ『トリフィルファンタジア』は穏やか&かわいいファンタジー – 空気を読まない中杜カズサ

で、昨年末、とうとう単行本が発売されました。

トリフィルファンタジア 1 (Gファンタジーコミックス)

ちなみに夜麻みゆきさんについては休業期間が長かったので、ご存じない方のためにちょっとだけ。
10年くらい前から『少年ガンガン』及び『Gファンタジー』を読んでいた人間には有名で、エニックスの名物『ドラゴンクエスト4コマ』でデビューして以来、 『レヴァリアース』『幻想大陸』『刻の大地』という世界観(オッツ・キイム)を同じくする作品を連載されます。その作品はファンタジーですが、その深い世界観とかわいらしく個性的なキャラクターが特徴的で、ガンガン系では有名な作家の1人でした。
しかし夜麻さんの体調の都合からその後長期休載。そして連載終了となっていまいます。ですが根強いファンは多く、復活が期待されていました。
それで前述のように、2008年初め、いきなり復活。ファンを喜ばせました上、GIGAZINE入りまでしていました。

夜麻みゆき、4年の沈黙を破って月刊Gファンタジーで執筆再開 – GIGAZINE

さて、前置きが長くなりましたが、その単行本をじっくりと読んでみましたので今日はそれについて。

お話は、テルルという名の青い星にある砂漠の国、オンファスに住むトリフィルというパン屋に住むルナ&ルチルの姉妹に居候のジェイド(実は「彼」に至っては、連載1回目を見た時に女性だと思っていた……)の1話完結型の物語。基本的には大きなこと、派手な話ではなく、3人をはじめとした愛らしいキャラクターが、ちょっと不思議だけど楽しそうに日常を過ごしてゆく物語です。過去の夜麻さんの作品に比べると、どっちかというと静的な感じ。しかし、それが悪いというのではなく、その限られた場所でいろいろな展開が繰り広げられます。

『トリフィルファンタジア』1巻P15

『トリフィルファンタジア』1巻P15

絵柄やキャラは、昔とは若干変わっていますが、やはりキャラを見れば夜麻みゆきさんのキャラだというのがわかるかわいらしいものですね。

そしてストーリーの主な軸は「優しい話」と「不思議な話」。

この町の人、とにかく人がいいので、その優しい空気の中でのストーリーが示されます。例えば『商人と弟子はなかなか懲りない、のこと』という話では、ちょいとずるい商人が品を売りつけようとするけど、町の人の性格がよすぎてやがてそれに取り込まれてしまう話たっだり、『カゴの言うことは絶対、のこと』という話は、その街の優しさで成り立ついい話だったりします。
ちなみに、細かいところでギャグもけっこうあったりします。このギャグのテンポはやはり夜麻さんらしいなという感じ。

また、もうひとつは幻想ファンタジーと言うべき不思議な話。例えば名前もなく、誰も覚えていない博物館の話である『私とあなたはあらかじめ忘れられている、のこと』という話。ネタバレにならないように語るのは難しいのですが、あえて例えれば、みんなのうたに出てくる『まっくら森の歌』のような感覚を受けます(年齢限定ネタか?)。

『トリフィルファンタジア』1巻P126

『トリフィルファンタジア』1巻P126

しかしこの感じ、やっぱり『みんなのうた』におけるファンタジー的な雰囲気ですね。前述の『まっくら森の歌』とか『メトロポリタン美術館』のような。マンガで例えれば、これも昔エニックス雑誌で連載されていた天野こずえさんの『浪漫倶楽部』的な感じかなと。もしくは竹本泉先生のマンガ風でもあるような(あっちはSFだけど)。

ちなみにコメントによると、予定では全2巻とのこと。次で終わるとなると、ちょっともったいないような気もしますが、とりあえず2巻を待ちます。

近年のファンタジーには派手なものが多いですが、このようなゆっくりとしたものもわりと好きです。夜麻みゆきさんの作品が好き、ゆったりとしたファンタジーが好きな方は読まれてはどうでしょうか。

トリフィルファンタジア 1 (Gファンタジーコミックス)

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