大変だけどみんな笑顔な新聞専売所マンガ~『かなめも』

まんがタイムきららMAXで連載されている『かなめも』がアニメ化されるようです。

かなめも (1) (まんがタイムKRコミックス)

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『かなめも』は、新聞専売所を舞台としたコメディ4コマであり、実際にはともかく萌え4コマらしく女性だけの新聞専売所となっています。しかもみんな若く、主人公のかなは中学生、所長代理は小学生といった感じ。
主なキャラクターは、主人公の中学生中町かな、所長代理のしっかりもの小学生天野咲妃、超甘いもの好きの北岡ゆめ、クールなのにゆめのこととなるとヒートアップする南ゆうき、金好き浪人生東ひなた、酒好きで7~15歳の女の子に熱心で、かなと代理に迫りまくる西田はるか、それとライバル新聞の専売所に勤めるやけにお嬢様口調なかなの友達久地院美華となっています。
ちなみに自分の一番お気に入りのギャグはこれ(元ネタがわかる人はある年齢以上かゲーマー)。

『かなめも』1巻P58

『かなめも』1巻P58

話は主に萌えマンガらしいギャグテイストで、前述のように新聞専売所を舞台としていますからその仕事を交えて進みます。
さて、この作品、キャラがどれも濃いです。特にゆめとゆうきの百合っぷりは直接的ですし、はるかのロリコンっぷりは女性なのに引いてしまうほど。故にギャグとして成り立っているのです。

しかし、実はよく見てみるとこのキャラ達は決して楽な境遇ではないとわかります。

新聞配達は超がつく早朝、そして夕方に体力作業をするという重労働です。配達だけではなく、専売所職員となるとチラシ封入、集金、場合によっては新規勧誘などもあり得ます。新聞専売所自体も押し紙問題、最近では広告数の減少などもあり、経営的にも楽とは言えないものです。

昔から言われていますがもっとひどいのは新聞奨学生で、浪人生、及び大学生を使っていますが、前述のように朝と午後を使うため、相当の覚悟と体力がなければ勉強する時間もないほどだということ。ちなみにマンガでも新聞奨学生については、『1年で学費上限120万支給、朝夕の配達業務及び簡単な雑務で月給8万円、住居無料保証週休1日朝、夕食付き』というものをみたかなが「いいと思うか?」と聞かれた返答でこんなものが。

『かなめも』1巻P56

『かなめも』1巻P56

■参考:livedoor ニュース – 日経新聞、新聞奨学生を奴隷扱い 辞められぬ弱みに付け込む(※リンク切れ)

まあこれは現実の話で、マンガではみんなが優しいしそこまでではないですが、マンガでもかなり大変そうな描写がなされていますです。例えば大雪や台風の日には相当苦労して配達していますし、集金なども苦労しています。

そもそも、この新聞専売所で働くみんなは、経済的には大変境遇になっています。かなは唯一の身寄りである祖母を亡くし、家もなくなって(どうもここらへんかなの勘違いがあるような気もするけど)新聞専売所で働くことになっていますし、所長代理は親がいません。そして今月のきららMAXでは、ゆめとゆうきにも何か事情があるような描写がありました。
美華もお金持ち学校から転校して新聞専売所で働いているあたり、何か事情がありそう。

つまりは、「経済的に見れば」みんなあまり恵まれているとはいえないのですよね。
しかし、彼女たちはそれに対する憂いを見せることはほとんどありません。病気で弱気になった時などたまに見せるくらいです。そしていつもは笑ってギャグ生活を送っています。

きらら系4コマではこのように「一見萌えギャグに見えても、状況的には恵まれているとは言えない子」というのがわりと出てきます。たとえば『うぃずりず』(里好)のりずは、両親を失いおじいちゃんの元で育てられていると、客観的に見れば悲しい状況とも言えますが、それに対しての憂いは全く見えません。むしろお爺ちゃん大好きで、幸せそうにしています(逆にそのお爺ちゃんが老人であるが故自分の行く先のことで語っているのをこっそり聞いてしまい、涙ぐんだりする)。また『僕らはみんな家族になる』の小学生鈴音は、今月号で両親が死去していることが判明します。
しかし、その彼女たちはその状況に文句を言ったり悲しんだりすることはありません。明るく過ごしています。こう見ると彼女たちは強い、と読者からすると思えます。ただ、彼女たちが自分で強いと思っているかというとそうではなく、そんな状況であっても楽しく笑ってすごそうとしているのですよね。

うぃずりず (1) (まんがタイムKRコミックス) そして僕らは家族になる (1) (まんがタイムKRコミックス)

こう考えると、経済的にどうあれ人の幸せを外部の基準で判断するほうが、実は心が満たされていないことではないかと思えてくるのです。
当然、前述のように辛いこと、大変なことも多いでしょう。しかしそこで支えてくれる人たちがとなりにいる状況の幸福が、彼女達にはあるのでしょう。

『かなめも』1巻P21

『かなめも』1巻P21

おまけ。『かなめも』に書いてある、前述の新聞奨学生以外の役に立つ妙にリアル(?)表現。アニメ化で出てくるかどうか不明。

・ひと月3500円の新聞代で4500円×2のチケットをねだってくる客。その行く先は?
・(暗い時間の配達で)防犯ベルを抜いたら「火事だー!」と叫べ。「助けて!」じゃ誰も助けてくれないから
・他の新聞が来て、それを両手に持ち、右と左の新聞どっちを読むかと聞いてくる。で、「右」と答えて渡されたのは左手に持っている新聞。さて何で?
・配達ルートにお城。クリスマスに賑やか。

かなめも (1) (まんがタイムKRコミックス)

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コメント

  1. a より:

    その昔「ひろみちゃん奮戦記」というのが(ry

  2. nakakzs より:

    >aさん
    こんにちは。
    >ひろみちゃん奮戦記
    読んだことはないのですが、調べてみたら「はいぱーぽりす」のMEEくんか~。読んで見たい気が

  3. 減給よ!? より:

    私も同じ考えです。キャラの濃さから敬遠する人もいますが、それぞれのキャラの置かれている境遇から醸し出されるリアルさがとても好きで、この作品に夢中になってます。それにしても経験論とも取れるような新聞屋の話を次々と生み出せる石見先生もすごいですね。