空気を読まずにマンガを読む
『まんがタイムラブリー』は何故休刊に至ってしまったのか
- 2011-06-14 (火)
- コラム・雑記
まんがタイムラブリーが休刊してしまいました。 2011年3月号より連載陣を一新する大胆なリニューアルを行ないロゴをはじめ雰囲気を一新、いままでの中綴じ本から平綴じにもなってスタートしてから半年も経たないうちの休刊となってしまいました。
■コミックナタリー – まんがタイムラブリー17年の歴史に幕、7月号にて休刊
■参考:コミックナタリー – まんがタイムラブリーが大胆リニューアル、表紙はHERO
本誌を見てみると、最終ページに今号で休刊する旨が書いてあるほかは通常通りとも思える内容で、こういった休刊時に連載陣が急激に話をたたむでもなく、各マンガの最終ページにも「次号をおたのしみに」も「ご愛読ありがとうございました」もなく、本当に急に決まった休刊と思われます。
発売日まで全くこの情報がなかったので、正直ビックリしました(あえて言えば、まんがタイムジャンボの発売日が4日から12日に変更になったくらい)。と同時に、早すぎたもののこうなる運命だったのかもなあ、とも思います。
しかしネットを見てみると、この休刊に際して的が外れているようなコメントを見かけます。私も詳しい原因を言えるわけでもありませんが(それを正確に言えるのは、内部の人間しかいないわけで)、明らかに間違っていると思われる部分を正しつつ、何故『まんがタイムLovery』が休刊に至ってしまったのか、考えてみようと思います。
4コママンガ誌は15年以上前から多くの種類が発行されている
まず、ネットを見ると、まんがタイム系の雑誌の多さに「増やしすぎたせい」というのを見かけますが、これは違うと思われます。たしかにまんがタイム系列きらら系4誌を除いても『まんがタイムラブリー』のほかに『まんがタイム』『まんがホーム』『 まんがタイムジャンボ』『まんがタイムファミリー 』『まんがタイムスペシャル』 まんがタイムオリジナル』、それに作者別コレクションを加えると本誌系で月に8誌にも出ていることになります。ただ、「増やしすぎ」の指摘は少し的が外れていると思われます。というのは、この体制になっているのはもう1990年辺りから20年くらい続いているので。一番古いのは当然『まんがタイム』で、先日創刊30周年を迎えました。『まんがタイムラブリー』はこの中では比較的新しい方ですが、それでも1993年創刊なので、18年経っており、『まんがタイムきらら』(20003年創刊)よりも10年以上前にあるのです。故に増えている状況はその時代から続いているものであるのです。
ちなみにこのほかにも4コマ誌は他社からく『まんがくらぶ』『まんがくらぶオリジナル』『まんがライフ』『まんがライフオリジナル』『まんがライフMOMO』『まんがタウン』、さらには「本当にあった~」系の実話系誌もあります。ちなみに私は一部は学生時代から見ていましたが(「ナオミだもん」とか高校生の頃に読んでたとか)、空白期間を経て近年またハマり、月に実話系以外(こっちはどっちかというと女性向けなのもあるので)きらら系も含めて買っているのですが、たった三ヶ月で雑誌を積み上げた山が1メートルにもなってどうしたもんだろという状態になっています(しかもこれらの作品、必ず単行本化されるとは限らないし、1巻が出ても2巻がでないものもあるのでなかなか捨てるに捨てられないという)。
それでも、今まではそれで長年安定していたとしても、ここ数年の世の中の変化、すなわち出版不況が影響を与えているというのはたしかにあると思われます。ただ、増えているのはもともとであり、しかもそれで10年以上回っていたので(それに加えてきらら系も創刊されたし)、この体勢が直接の原因とは考えにくいです。あえて言うなら「増えていたまま読者の減少に追いつけなかった」かと。ちなみに自分は、すでに月刊誌が多数というより、週刊誌の感覚で買ってます。
コンビニに置かれている4コマ雑誌の売上的メリット
ちなみにこれもネットで勘違いが多そうですが、同じ4コマ雑誌であり、アニメ化もされた『けいおん!』などが載っている『まんがタイムきらら』などより、こちらのまんがタイム系のほうが雑誌の売上げが低いかというと、それはないと思われます(『まんがタイムラブリー』は後述の理由によりわかりませんが)。
私はきらら系のほうも買っているのですが、実はこちらはまんがタイムきらら系、まんがタイムなどに萌え系4コマ誌に比べ入手が難しいのです。というのはこれら、コンビニ置きがあまりないのですね。というかうちの近所だと書店置きまでないところも多い。Amazonが低価格雑誌の取り扱いをやめてしまってからは尚更入手が難しくなり、何故か周辺で唯一きらら系を仕入れてくれているちょっと離れたコンビニに通っている感じです(でも置いてないコンビニでも『けいおん!』の単行本はきっちり仕入れていたけど)。
実はここがポイント。コンビニは全国で4万件近くあると言われています。
これらの店舗で一冊ずつ売れるだけで、部数が数万単位で違ってくるわけです。さらに萌え系を置いていない一般向けの本屋、それにキオスクなども加えたら差がはっきりとついてしまいます。ちなみに、過去にはコンビニで仕入れをやめるので休刊になった雑誌というのも存在するとのこと。
まんがタイム系に限らず4コマ系雑誌の多くは印刷部数の公表をしていないので詳細は不明ですが(たとえあっても返本率などもあるので正確なところはわかりませんという前置きをつけておきますが)、おそらくネットではその感想が少数派になってしまう『週刊漫画TIMES』などや(情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明さん等がしっかり読まれて書いてますが)、下手をすると成人向けコーナーに置いてある『COMIC快楽天』や、もっと下手をするとなめくじ長屋奇考録さんで紹介されてるようなどう見てもニッチにしか思えるないようなものでも、コンビニにおいてある以上、萌え系雑誌より発行部数が高い可能性はわりとあるわけです。
とらのあなとかみたいな専門書店に行くと平積みにしてあるのでそちら中心で買う人はわかりにくいかもしれませんが、まんがタイムなどと比べてネットで目立っている(まあアニメのほう中心ってのあるでしょうが)きらら系は、まんがタイム系と比べて規模は小さいと言えるのです。ネットの観測範囲での出来事と現実的なもので差異が生じていることはよくありますが、それもこのひとつかなと。
■参考:図録▽コミック誌発行部数ランキング
■参考:社団法人 日本雑誌協会(印刷発行部数公表あり)
去年から始まったまんがタイム系各誌のリニューアル
で、非常に前置きが長くなりましたが、『まんがタイムラブリー』に話を戻します。
一番最初にも書いてありますが、『まんがタイムラブリー』は3月に大幅なリニューアルを行ないました。実はまんがタイム系列の雑誌はこのほかにもあちこちで昨年秋頃よりリニューアルが行なわれていました。象徴的だったのは、『まんがタイム』で20年以上続いていた、ある意味植田まさし系4コマ誌のイメージを色濃く残している『かつあげ君』『まさし君』などが終了、同じく他でも『天使くん』、『ごめんあそばせ』といったような、長年続いているものが終了し、雑誌間でマンガの移籍が相次いだことです。
これの理由を推測するに、やはり長年の連載でバラついて特色の薄くなった各誌を見直し、ターゲットを設定し直すということだったのではないかと思われます。それにより、今まで読み続けてきた年齢が上の世代向けの『まんがタイム』『まんがタイムオリジナル』から、やや若者向けの『まんがタイムスペシャル』まで分類した感じなのではと。
『まんがタイムラブリー』の失敗は何か
その中で『まんがタイムラブリー』は何故休刊に追い込まれたのでしょうか。
『まんがタイムラブリー』は名前通り、もともとは「好きだヨンたーくん」みたいに女性向けの恋愛系が多い4コマとして創刊されました(このあたり、萌え系4コマの系統に繋がるあたりもあると思われますが、その話はまた今度)。しかしリニューアル直前は、ほかの4コマ誌が植田まさし系からのリニューアルで、恋愛系ややわらかなものが増えてきたため、差異がなくなってきます。実質私も『まんがタイムジャンボ』と混同することがありましたし。
故に、そこから差異を出すべく大きな差別化を図ったと思われます。それはすさまじく、綴じ方の変更の他、ほとんどの連載作を一から始めるだけではなく(例外は『ココjロ君色サクラ色』)、今まで4コマ誌であまり見かけなかった作家を採用するなど、非常に大胆なものでした。実質新創刊と言っていいと思います。
ただ、今回は結果的にそれが大裏目に出たと言えるでしょう。まず、4コマファンの中で作家買いがなくなり一からスタートしなければならないこと。さらに、作家は有名な人がいても、それらが4コマ雑誌を読む層とかみあっていなかった可能性が高いことがあります。
またリニューアル時に必要なターゲットの設定がどこに定められているかわからなかったこともあります。これ、表紙のHEROさんの絵がかわいいのはいいのですが、ロゴデザインなども含めて少女向けに見えるのですよね(おかげでコンビニで買うときちょいと恥ずかしかった)。しかも作者もどっちかといえば女性読者が多いようなマンガ家さんかなと思えますし。ほかの4コマ雑誌にも言えますが、リニューアル直前の『まんがタイムラブリー』は比較的男女中性的な雑誌で男女両方の読者がいるような感じでしたが、ここで男性読者を脱落させてしまったのではないかと。
とはいえ、女性読者向けだったかというと微妙で、イメージ的には綴じ方もあり、きらら系に近いと思われた感じもあるかもしれません(実際背表紙からだと見分けがつかない)。
ここで先程話したコンビニの話に戻ります。実はリニューアル前まで『まんがタイムラブリー』は『まんがタイム』の置いてある店でも売っていて、比較的簡単に買えたのですね。しかし、リニューアル後はその直後から売らなくなる店が出始めました。勿論詳細はコンビニの仕入の人に聞かないとわかりませんが、もし、町のコンビニでは購買層が限られる萌え系と判断され、今まで仕入れていたのにそれを切られたという可能性もあるのではないかと思われるのです。
つまり、ターゲットを設定するはずが、どっちつかずになってしまった可能性が高いのではないかと。
善し悪しを判断できる前に終わって?しまった連載
さて、マンガの内容ですが、正直毎号これのために買う、というものは、唯一移籍の『ココロ君サクラ色』(しかも4コマじゃない)しかありませんでした。
■幼なじみ同士達のほんわかとした青春ラブコメ『ココロ君色サクラ色』 – 空気を読まずにマンガを読む
前述のようにやはり4コマにいままでなかった作家さんの作品がでしたので、判断できなかったのですね。しかも4コマ慣れしてなさそうだなあという作品もあった感じがしますし。
ただ、それで「つまらない」とは言えないのですよ。というのはこういった4コママンガというのは、続いていると途中でどんどん面白くなることがよくあるので。今人気のある『らいか・デイズ』も、2巻になりらいかの短所が出てきて、人間関係に壁がなくなってきたあたりからかなり展開の広がりが出ておもしろくなってきた感じですし。故に、もう少し続いていればかなり面白くなる作品も出てきたかもしれないのに、5号でそれを判断するのはいささか短すぎたと思われます。
連載陣の復活を望む(とりわけ『ココロ君色サクラ色』)
そういうわけで、名前こそ『まんがタイムラブリー』を引き継いではいるものの、リニューアルの失敗というより、新創刊の失敗と捉えた方が、しっくりくるのです。
さて、今後ですが、まず『ココロ君色サクラ色』の移籍先が気になります(最終号に載っていなかったので、すでに移籍準備をしている可能性もありますが)。どこかの雑誌に、最悪芳文社系で無理なら同じく桑原草太さんの『紅心王子』を連載しているスクエニ系でもいいので連載を続けてほしいです。あと、他の作品も前述の通りまだ伸びる可能性はあると思うので、このまま終わらせるのは惜しいところではあるとは思います。
ともあれ、休刊のショックを受けつつも、これ以上出ないように願い(こうなってくると次はアレか、とかいろいろ心配になってくるので)、読み続けて支えようと思う次第。
| ココロ君色サクラ色(1) (まんがタイムコミックス) | |
![]() |
桑原 草太
芳文社 2011-04-22 |
全力で楽しんでる?不登校&ニート&無職ライフ『ウチはおおきい』
- 2011-05-11 (水)
- マンガ感想(4コマ系)
まんがタイムきららで『けいおん!』の大学生編がスタートしたのがネットなどでよく話題になっています。ですが私としてはもうひとつ注目したいのが、その前の号から始まったざらさんの『しかくいシカク』。

このブログや自分の運営する他のブログでは、同じくきららで最近まで連載してたざらさんの『ふおんコネクト』についてよく扱っていた通り、萌え系と言われる4コママンガの中ではわりと異色の細かい絵で描かれているストレート&ギミック的なギャグや細部のパロディー、そして時に現れる風刺などが読み応えがあり、4コマの中でも好きな作品のひとつでした。
■参考:きらら9月号の『ふおんコネクト!』における世論操作手法が実際にありそうな件について – 空気を読まない中杜カズサ
■参考:萌え系4コマ異色の作品『ふおんコネクト!』完結! – 空気を読まずにマンガを読む
というわけで、新連載のほうにも期待しているのですが、最近まで『ふおんコネクト!』とは別に、アフタヌーンgood!のほうで連載がされていた作品が単行本になりました。それは『ウチはおおきい』。
この作品は前述の通りgood!アフタヌーンで連載されていた4コママンガで、舞台は洋館を改造したとあるアパート。管理人は女子高生のカナエ。そしてほかにもお嬢様女子大生やDカップ英才美女などが住んでいます……と書くと、もしかしたらひだまりスケッチのようなほのぼのとした感じを連想する人ももしかしたらいるかもしれませんが、違います(まあ見方によってはそうとも言えるかもしれなけど)。じゃあギャグ的なものである、個性の強すぎる住人に振り回されるパターン(『まほらば』、古くは『めぞん一刻』とか)といえば、そっちに近いです。しかしそこは全員一筋縄ではいきません。
メインはさっき書いた3人の女性ですが、管理人且つ高校生のカナエは、希望して入った高校が経営難で閉鎖してしまい、救済処置で今の高校に編入してきたためにやる気を失って不登校ニートになりかけ。
入居者のお嬢様女子高生メイは、たしかに家は大金持ちなのですが、根底からニート気質で生活費を浮かすために(部屋と学費以外の費用はあまりのニートっぷりに止められた)、親から与えられていた高級マンションを売って安いこのアパートに引っ越し、その差額で生活しようとする大学留年生という一癖も二癖もある存在。ちなみに当然留年。
唯一まともと言えるのがリョウ(痩せ形巨乳メガネ)なのですが、この人、かなり不運です。というのは大学を首席で卒業して一流会社に入るほどの英才で、且つメイとは全く逆に活動意欲もあるのに(メイには「ニートの素質の無い人」と言われる)、昨今の不景気の煽りを受けて失業してしまい、一度出た家賃の安いアパートに戻ってこざるを得なかったという感じ。しかもその後もその有能さなのに仕事が決まらず、派遣やバイトを転々とするという。
このように将来に悲観的な不登校予備軍、ニートライフを愉しむお嬢様、能力を発揮できない失業業者と、なんだか現代社会のマイナス影響を反映されたようなメンツがおりなすのがこのマンガです(ちなみにアパートにはその他国籍不明の人と老人もいて、高校の同級生にはちみっ娘ゲーマーもいたりするけど、やはりこちらも個性炸裂してます)。
ただ、やはりそこはざらさんのマンガというか『ふおんコネクト』同様キャラは非常にアクティブで、たとえニートライフといえども全力で織りなします。
例えばカナエ。学校をサボるのにもスキルを展開しますが、ここでのギミックが能力の無駄遣い。
そして最強はメイで、ニートをするためならどんな苦労も惜しまないという本末転倒さが非常に良い感じです。まあ本人はそれを楽しんでいる感じですが。
で、やはりそうなると振り回され役&ツッコミ役は常識人に回ってくるわけですな。ちなみにその能力故に同窓の女のコ(女社長)に憧れられて、というかむしろ百合風に執着されている辺りも受難?だったり。
『ふおんコネクト!』に比べると、直接的なパロディは少なめですが(それでも先の画像のようにそれなりにありますが)、それを超す風刺やギミックがこんもりと描かれており、キャラの行動同様そこも魅力のひとつとなっています。
あと、下の画像にはどっかで見た人が(犯罪者になってるけど)。
というわけで、『ふおんコネクト!』が好きだった方は読まれることをオススメ。読んだことが無い人も、全一巻の4コマですので、気軽に楽しく読めると思います。
ちなみにこれでひとまず完結らしいですが、続きも読みたいなあ。
| ウチはおおきい (KCデラックス) | |
![]() |
ざら
講談社 2011-04-07 |
幼なじみ同士達のほんわかとした青春ラブコメ『ココロ君色サクラ色』
- 2011-04-25 (月)
- マンガ感想(その他)
このブログではお久しぶりです。というか日付を見てみると前回の更新が去年だったので、ここは今年初の更新となるのですな。
ちょっと今年に入ってから個人的なことがさらにいろいろとあって、ここのブログまで書けませんでしたが、その期間もマンガは積み上がる程読んでいました。そして多少時間の出来た今、それらについていろいろ書きたいのですが、とりあえず今日は雑誌連載の時から注目していた桑原草太先生の『ココロ君色サクラ色』から。
この作品はもともと4コママンガ雑誌『まんがタイムスペシャル』で連載されていたのですが、4コマ誌のなかにあってストーリー形式であり、1話のページ数もあまり多くないショート編成、しかも隔月連載というので、2009年スタートなのにここでやっと単行本化となりました(現在は『まんがタイムLovery』に移籍して毎月連載)。
ジャンルはひとことで言えばラブコメのショートストーリー連作形式。メインは中学生の詩原小春と花枝陽葉介のふたり。この二人は幼なじみで、小さい頃から一緒にいる感じ。ただ、ラブコメでよくあるお互いに思いを胸に秘めつつ表面上はその気がないように見せかけている、というのとはちょっと違います(この二人とは別にそういうのもあるのですが、後述)。この葉介のほうは、小春に対してその感情を隠そうとせず、本人の前だろうが周囲の目があるところだろうが、ひたすら小春への愛情を隠そうとしません。ちなみにかなり情熱的に迫るのは、お爺さんがイタリア人という影響もあるらしいです。
そんな葉介に対し、小春は気のないそぶりを見せて、いつも軽くあしらっています。ただ、小春が陽介に対して気がないかというとそういうわけではないのですな。
そして何より、その気がないように見せかけつつ、普段から一緒に居るのですな。もちろん葉介が常に近寄ってくるからなのですが、だからといってそれから逃げるようなこともなく、ややあきれながらもいつも一緒に居る。この関係がなんかいい感じなのですよ。普段はそっけない小春自体も、時折葉介に対してなんかそれらしき反応を見せることがありますし。この二人の関係が、どことなく見ていて微笑ましいのです。
そしてラブコメらしき気恥ずかしいような感じももちろん。
さて、この二人は幼なじみだと書きましたが、このふたりの家族(詩原家と花枝家)も家族ぐるみのつきあいで、こんな二人の関係は小春の両親も公認だったりします。というか父親(少女マンガ家)小春より乗り気だったりする感じ。
そして、このふたつの家族、実は小春や葉介以外にもそれぞれ兄弟姉妹がいるのですが、それぞれ学年が同じ、しかもそれぞれが男女別のペアがいるのですな。詩原家の長女(小春の姉)杏は高校生で、花枝家の長男(葉介の兄)の蒼一と幼なじみ。
そして詩原家の三女で幼稚園に通う桃は花枝家の三男実と同じ年齢。さらには詩原家には小学生で男の子の双子、空と太陽もいるのですが、これもまた花枝家にはこのみとくるみという女の子で小学生の双子がいたりします。微妙に親同士がわざと家族計画合わせたんじゃないかとちょっと下ネタライクに思ったりもしますが。
そしてこれらそれぞれのペアも小春たちとは違うそれぞれの関係を構築しています。蒼一は明らかに杏に好意を持っているのに、葉介とは逆に素直になれないでいる、ケンカ友達のような関係、桃と実は微笑ましいお互いを気にする感じ等(双子はこれからかな)。
こんな感じで、メイン二人の周辺も温かくほのぼのとした感じなのですね。
ちなみにこれら全員が幼なじみという、幼なじみもの大好きな人にはおいしすぎるモノでもあります(まあ現役の幼稚園児や小学生を幼なじみと定義するかは微妙かもしれないけど、という幼なじみもの好きのこだわり)。
桑原草太先生といえば、ガンガンで連載中の『紅心王子』のほうをご存じの方も多いでしょうが、こちらも良い作品だと思いますので、こういったやわらかい雰囲気の好きな人にはおすすめです。
ちなみに最新号では葉介のほかに幼なじみが出てきたり、別の展開もあるかという感じも。まだ一巻なので小春と葉介やその他の関係を見守ってゆきたいと思います。
少しずつ変化する幼馴染たちの青春物語~『君と紙ヒコーキと。』
- 2010-12-01 (水)
- マンガ感想(4コマ系)
私はわりと「幼なじみもの」、つまり男女の幼なじみが甘酸っぱい青春とか恋愛模様を披露するような作品が好きです。ただ、残念ながら設定では主人公とヒロインが幼なじみという関係のものはあっても、設定で止まってしまい、そこで幼なじみであるが故の何かというのが特にないまま、普通の主人公とヒロインものになるようなものも多く、そうじゃないんだと思うこともしきり。幼なじみものは、昔からの関係が故のお互いに寄せ合う好意の微妙な距離と、その変化の妙を見たいのですよ。
そんな欲求の中、いろいろと買ってきたマンガを読んでいたらなかなかのものを見つけました。それが『君と紙ヒコーキと。』
この作品は、ガンガンONLINEに連載されていたもので、基本はストーリー4コマですが、時に普通のコマ割り進行が入る形式となっています。絵柄(というか塗り)はどちらかというと少女まんが風ですが、それが作品の雰囲気にあっている感じ。
舞台は普通の高校。で、メインの登場人物は主人公の浦木圭と、その幼馴染であるヒロインの松野鈴。この二人を中心として、仲間である竜介、葵を交えて話が進行します。
さて、ヒロインの鈴にはちょいと変わった点があります。それは誰かに話しかけるかわりに、メッセージを書いた紙ヒコーキを飛ばすというもの。で、その主な対象は圭。
何故鈴は、わざわざ紙ヒコーキでこんなことをしてくるのか、(最初のうちは)圭もわかってはいません。しかし、そうすることで鈴と触れあえることに自分でも気づかないうちにうれしさを感じているそぶりが見られます。
さて、気になる二人の間柄ですが、見た目から鈴は圭を慕っているように見えます。そして圭は口では「恋愛感情はない」とはいいつつ、ちょっとしたことでドキリとしたり、ふたりの間に誰か(特に高崎竜介=りゅう。いい奴)が入ってくるとヤキモキしたり。幼馴染ものでは定番ではありますが、それがいい感じですな。
ちなみにこの二人やほかの仲間を交えた漫才のような、それでいてほのぼのとしたやりとりがなかなか心地いい空間を作り出しているのですよね。これもまた、青春的。あと、ちょっかいとか出す人はいますが、全員イヤな奴じゃないというよりみんないいコなので、気分良く読めます。
さて、この作品は主に主人公である圭の視点から描かれるのですが、物語の途中までは鈴はその圭に対して向けられる笑顔を絶やさない女の子に見えます。しかし、実際はそうではなく、なかなか人と話せない性格なことが判明します。それが故に紙ヒコーキを使うことになったのですが、やはりそれは子供のころの圭が関係していたりします。
ですが、圭のほかにりゅう、そして葵といった仲間が出来て、だんだんと周りの人とふれあえるようになってきます。
しかし、そんな二人の関係に、というか圭の心情にだんだんと変化が生じてきます。
人見知りする鈴がに人に慣れてきたこと、それは圭にとっても喜ぶべきことなのですが、そこで説明し得ない、不思議な感情。
今までは自分と二人だけでやりとりをすることが多かった鈴。しかしまわりに人が集まってくることで、鈴に取っての自分の存在は必要か…という事を考えたり。
そして、鈴がもう自分を必要としないという夢を見てしまったことから生じるすれ違い。そして…
ここから先は、ネタバレなので伏せますが、なかなか幼馴染もの好きの人間にいい感じを与えてくれました。
全体として雰囲気も良く、テンポもいい感じなので、幼馴染もの好きな人だけではなく、学園もの、青春ものが好きな人も読まれるとよいと思います。
この二人はこの作品は巻末のコメントによると登場人物たちの「第一の季節」なのだそうで。ま、たしかにこれからがいろいろ関係の変化に期待できるところなのでここで終わりというのは、もったいない気がします。ですが、応援次第で「第二の季節」もあるかもとのことですので、私は応援したいと思います。
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◆追記
連載されていたガンガンONLINEで、現在でも第一話が読めるようです。
■君と紙ヒコーキと。 – 漫画 – ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-








































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